新潟の農業者に寄り添い日本の食を共に未来へ

吉田 丈夫 氏
社長就任から1年たちました。
後に振り返ることになるような歴史的な年でした。売上高が過去最高を記録した一方、主力三機種であるトラクター、田植え機、コンバインの売上台数が1,000台を下回りました。農家戸数の減少により、いずれ必ず来る節目と見ていましたが、就任1年目に来てしまいました。新潟クボタが上中越エリアを統合した2008年時点から半減です。新潟県の販売農家戸数は20年時点で約 4.2万戸ですが、私が社長の間に1万戸を割るでしょう。さらにゼロ金利政策解除も今後の経営、組織の形に大きく影響します。この時代に農業を選び、続ける人の経営を支援し、寄り添う企業でありたい。過去の経験にとらわれず、あるべき未来から逆算して行動できる組織に変わらなければと思います。
昨年は米不足で、価格高騰は今も続いています。
米の指数先物の価格を見ると、現時点では、今年も高止まりが予想されます。生産量の安定化には、これまで以上に天候不順への対策が重要です。できることは適切な管理と品種や作付時期を分散させるリスク低減。われわれはハード、ソフトの両面で生産者を支援する体制をつくっています。値上がりは、生産者に未来を見据えた投資を行える環境を生んでいるともいえます。今後も日本の食を守っていくための設備投資を全力でサポートします。
今年の新たな取り組みは。
NKファーム村上(村上市)で実演、研修などに使うほ場「アグリベース」を整備しました。生産者の皆さまに使っていただく場でもありますが、社員の経験知を増やす場としても活用します。農家戸数、農機販売台数ともに大幅に減っているため、従来のような販売手法では社員が必要な経験を積むことができません。この課題をどう解決していくか、ここで試行錯誤していきます。
米の輸出の状況はいかがですか。
昨年は主に香港、シンガポール、アメリカ向けに5,000㌧の実績でした。円安と国内価格の低さで順調に伸ばしてきましたが、今年の作付けは相当部分国内の主食用米になるでしょう。ただ、日本の米を世界に広めていくことは、クボタのミッション。今後も続けていきます。
若い頃の自分にアドバイスを。
10代から20代半ばであれば、「親の言うことを聞きすぎないで好きにやること」、そして「学力と同様、体力も大事な資産になるからちゃんと運動すること」です。
Overview [概要]

◼所在地 |
〒950-8577 新潟市中央区鳥屋野331番地 TEL.025-283-0111 FAX.025-283-0121 |
◼創業 | 1964年2月 |
◼事業内容 | クボタ農業機械・エンジン・農業用施設機械・建設機械・住宅機器・緑化関連機器・一般自動車等の販売及び修理・整備、中古農機買取、肥料農薬の販売、建築工事及び一般住宅の販売、各種自動販売機の設置及びメンテナンス |
◼資本金 | 1億8,000万円 |
◼従業員数 | 428人(2025年4月1日現在) |
◼営業所 | 県内22営業所(出張所含)、大型サービスセンター(県内4カ所) |
◼ホームページ | https://www.niigatakubota.co.jp/ |