いっすねー!山脇のインフラ訪問記 第2回 大河津分水編vol.22022年8月26日

改修工事のこと、「にとこ」ちゃんに聞いたよ~!

大河津分水では現在、「令和の大改修」が行われています。なぜ工事が必要なの?どんな改修工事が行われているの?大河津分水路改修事業の情報発信基地「にとこみえ~る館」で教えてもらいました。


→ vol.1はこちら

-- 令和の大改修、その目的は、もっとたくさんの水を海に流せるようにすることです。特に、河口部の川幅を広げ、削られている川床(かわどこ)を直して強くする工事を行なっているんですよ。


山脇 先ほど、信濃川大河津資料館で聞きました。分水路の入り口あたりは川幅が広いけれど、河口部は狭くなっているとか。


-- だから、洪水になると、上流に向かって水位が上がりやすくなり、水を海へと流す力が不足してしまうんです。


山脇 なるほど。


-- もう一つ。大河津分水は、なるべく短距離で海に水を流すために造られているので、勾配が急で、川底が削られやすいんです。


山脇 その川底を強める、ということですね。


-- 河口部に近い川底にあるのが「第二床固(だいにとこがため)」。通称「にとこ」の工事になります。

山脇 なるほど、それでキャラクターが「にとこ」ちゃんなんですね。何の鳥ですか?


-- マガモです。越後平野の田んぼで、こぼれたお米を食べている鳥です。


春くん にとこちゃん、こっちにもいるよ!


山脇 にとこちゃんが工事について説明してくれるんですね。わかりやすいです。


-- この建物の屋上では、工事完成後の様子がVRで見られるので、そちらに行きましょうか。

-- VRゴーグルをのぞいてみてください。分水と対岸の方を見ると、完成後の景色が見えるかと思います。


山脇 うわー、すごい。川幅が広がって。


-- 完成は2041年の予定です。海の方に見える野積橋も、架け替えます。


山脇 それも見えますね。すごいなー!


-- 続けて、現場の方に行ってみましょうか。床固(とこがため)の作業が見えるはずです。

-- 今ちょうど、コンクリート片を運んでいますね。あれは、これまで川底に張ってあった床固のコンクリートです。新しくするにあたって古いものを取り除いています。


山脇 重機を川の中に入れて作業するんですね。何年前の床固ですか?


-- 50年前です。


山脇 こうやって、川の底も生まれ変わっているんですね。想像もつかなかったです。向こうでは、川の中に柱を立てていますね。

-- 流水対策坑です。水の流れを穏やかにして、潜水士が潜れるような環境をつくっています。


山脇 作業のための工事が必要なわけですね。床固を新しくするのに、いったいどれだけの前準備がいるんですか・・・。


-- 今日はいい天気なので、作業ができていますが、雨が降って水が多くなったり、海が荒かったりすると、作業は中止です。4、5日も前から、天気を見ながら計画します。


山脇 天気は変わるので、その都度見直しをするんですね。悪天候になると、今、川の中にある重機はどうするんですか?


-- 流されてしまわないように、全部、陸に引き上げます。


山脇 へー!途方もない話ですね。でもそうやって、一つ一つ進めて、巨大なものができあがっていくんですね。


 



おわりに


信濃川の河口付近もかつては1kmほど川幅があって、万代や県庁のあたりもみんな川の中だったと聞きました。大河津分水ができて、川が狭くなり、流域が広がって、新潟の街中ができたんだそうです。大きな被害を出した2019年の台風19号の時も、この大河津分水のおかげで、新潟市内の信濃川はいつもと変わらないおだやかさだったとか。砦となって街を守る大河津分水。自然と一緒にどう暮らしていくか、という一つの答えを教えてくれている気がしました。

■にとこみえ~る館
長岡市寺泊野積
開館時間/9:00~16:00 休館日/月曜(祝日の場合は翌日)
TEL/0258-89-7105

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