いっすねー!山脇のインフラ訪問記 第5回 三国川ダム編2022年11月24日

岩を積み上げた珍しいダム。 地下も探検したよ!

「Re:Think インフラプロジェクト『つなごう!新潟の未来!』」のナビゲーター、よしもと新潟県住みます芸人のいっすねー!山脇さんが長男の春くんと一緒に、県内のインフラ施設を訪ねます。第5回目は、南魚沼市にある三国川(さぐりがわ)ダムへ!

越後山脈に囲まれた豊かな自然の中を流れ、魚野川と合流した後、信濃川に注ぐ三国川。その上流にある「三国川ダム」は、四季折々の美しい景色を見せてくれる観光スポットでもあります。山脇さんたちはまず、ダムの地下を案内してもらいました。

-- エレベーターで100m潜ります。ビルにすると25階分。地下には「監査廊」が巡っていて、冬季以外は案内ツアーがあり、見学することができるんですよ。

山脇 うわ、トンネルだ。いきなり探検ぽいですね。ここがダムの下ってことですか?

春くん え? 土の中なの?

-- そうですよ。ここは、ダムの点検や補修のためにつくられた通路です。三国川ダムは、1981年にダム堤体の建設が始まり、92年に竣工、94年に管理が開始されました。「ロックフィルダム」といって、岩を積み重ね、中心には水を通しにくい粘土の層を設けています。この辺りから粘土の層になります。

山脇 ダムの中心に近づいているんですね。

春くん さむーい。

山脇 確かにひんやりしていますね。いかにも土の中。

-- 地下なので夏でも冬でも12℃と、1年中温度はほぼ変わりません。この環境を生かして、地元の酒蔵のお酒を熟成貯蔵したりすることもあるんです。

山脇 冷蔵庫代わりってことですね。あれ、この先は階段?

-- 今は開放していませんが、約500段あって、今見えるところまでで全体の3分の1くらい。

山脇 全然、先が見えない。この中で点検するなんて…、お疲れさまです。

-- さあ、そろそろ戻って、ゲート室に行きましょう。

山脇 何やら秘密めいた扉が…。ここがゲート室?

-- 大雨などで、ダムにたくさんの水が流れ込んだ時に動かすゲートです。さらに先に行くと、ダムの水を放流しているトンネル、「放流路」があります。大雨が降るとゲートを開けて、流れる水の量を調節しています。

山脇 こうして下流の地域が守られているんですね。

エレベーターを上り、情報館へ行く途中、ダムを上から眺めました。

-- ちょうど向かいの山が三角形に削られていますよね?ダイナマイトで岩を壊し、運んで、ダムに使いました。

山脇 材料が、すぐそばで取れたんですね。

-- 当初、ダムはコンクリートで計画されていましたが、硬い岩などの良い材料が採れることが分かって、ロックフィルダムに変更されたそうです。

山脇 地産地消のダム、ってことですね。

-- さて、ここでクイズ。このダムは四つの仕事をしています。一つ目は水を堰き止めて洪水を防ぐ。二つ目は田んぼや虫、植物などに必要な水を流す。三つ目は飲み水を送る。さて、四つ目はなんでしょう?

山脇 想像つかないですね、何ですか?

ー 電気を作っています。下の方に見える白い建物が発電所です。

山脇 なんと!このダム、すごい働き者ですね。

ダム情報館に入ると、春くんは、虫の標本に釘付け。館内には、周辺で採取された生物が展示されています。

-- 三国川ダムは別名しゃくなげ湖。しゃくなげの自生地だったことから名付けられました。とっても自然豊かなんです。

山脇 あ、これがダムの断面図ですね。そっか、このあたりまで行ったんだ。

-- ダムを放流する時は1秒に100トン。25mプールが5秒間でいっぱいになる量が流れます。2019(令和元)年の水害時には、三国川ダムでも水を溜め込んで、信濃川下流域を守りました。

山脇 ダムの監視は24時間体制なんですよね?ほんとうにありがとうございます!

ダムをあとにした2人は、湖畔にあるしゃくなげ観光センターで「ダムカレー」を食べることにしました。
「ウーーー!」ダムの放流を知らせるサイレン音とともに
「ダムからカレーを流しました」という放送が。そしてカレーが運ばれてきます。

山脇 すごい大盛りですね。カツも乗ってる!

-- 三国川ダムの竣工30年を記念した限定の「30周年特別ダムカレー」です。ご飯はロックフィルダムの形にしています。

山脇 カレーも、ダムに貯められた水のようになみなみと。すごい迫力ですね。うん、美味しい!空気も気持ちいいし、旅気分満喫できました。

おわりに


三国川ダムが、いろんな役割を果たしていることを知りました。洪水を防いだり、田んぼに水を送ったりするだけでなく、「地域に開かれたダム」として、キャンプやウォーキング、サイクリングなんかも楽しめる場所になっているんですね。
考えてみれば、新潟は水の都。川も大きいし、雨はもちろん、雪もたくさん降る。そんな環境にとってダムは肝なんですね。いっぱいに水を貯める姿を見て「心にダムはあるのか?」って、問いかけられた気がしました。僕も、心にダムを持って過ごしていきたいですね。「ボケも貯めてから放流しろ」って言われそうですけど(笑)。

■国土交通省北陸地方整備局 三国川ダム管理所
南魚沼市清水瀬686-59
TEL/025-774-3015
ダム情報館は9:00~16:00開館
*ダム周辺の道路は冬季は通行止めになります。管理所のホームページでご確認ください。

■しゃくなげ観光センター(しゃくなげ湖畔開発公社)
南魚沼市舞台745-48
TEL/025-774-2200
*11月下旬から冬季閉業

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