インフラレポート2023|The Future Builders 第3回2023年10月28日
見えないところで僕らの「便利」は支えられている ー NEXCO東日本
新潟県と福島県をつなぐ磐越自動車道。4車線化に伴い、安田ICと三川ICの間に「宝珠山トンネル」が建設されています。本プロジェクトのナビゲーター、よしもと新潟県住みます芸人のいっすねー!山脇さんが現場を訪ね、私たちの生活を支えてくれる人たちの姿を取材しました。
事務所で安全靴と安全ベスト、ヘルメットを借りて装着し、颯爽と現場に向かいます。既に車が往来している対面通行のトンネルがあり、その斜め下にもう一つのトンネルを建設中です。
お話を聞いたのは、入社して5年、新潟支社に赴任して4カ月という高鍋陽祥(ひよし)さん。「ものづくりが大好き。橋が造りたくてこの仕事を選びました」と。「でもここ、トンネルですよね‥」。すると高鍋さん「トンネルも関わってみると面白いんですよ」。聞けば、新潟に来る前に東北支社で既に憧れの「橋」に関わったそう。橋、トンネル。大きな建造物はモノづくりの魂が騒ぐんですね。
いろいろな機械の中「エヴァンゲリオン」に出てきそうな車が動き出しました。先端にアーチ状の鉄骨を持って、トンネルの中へと入っていきます。「トンネルの内部を支える鉄骨です。トンネルが崩れないように支える骨組みですね」。なるほど、かまぼこ型はこうしてできているんだな。なんて納得していたら、意外な言葉が。「実はトンネルは円形。地下にも半円状のコンリートを打設しているんですよ」。え?どういうこと?
山からの圧力を分散させるために、そして基盤をしっかり確保するために、円形にしているんだって。知らなかった!
「小さい頃砂場でトンネルを作った時、崩れませんでしたか?ああならないように、トンネルを鉄骨とコンクリートで円形にして支えるんです」。そうだそうだ、表面を固めたつもりでも、中からと崩れたり、上が落ちたり。あの延長にこのトンネルがあるんだな。
この宝珠山トンネルは今年着工。昨年は事前準備として、工事車両の通る道路をつくったり、のり面を整えたり。完成は2025年の予定ですが、その後も周辺の整備が続くそう。「息の長い現場ですよね」。すると高鍋さん「その都度チームをつくって工事にあたり、完成させていのがこの仕事です。『はじめまして』と出会い、完成したらまたそれぞれの現場へと散っていく。だからこそ今の現場を大事にしたいし、このチームでやり遂げたいと思う」。
見たことないトンネルの骨格や働く車、道具に大興奮するとともに、いろんな方が携わっている現場なんだなと伝わってきました。「写真は、見えているものだけでなく、写っていないところでどんなことが起きているかも見なければならない」。どこかの芸術家が言っていたのを思い出し、日々の生活でも目に見えていない大事なことって山ほどあるんだなと感じました。便利な暮らし、そこにはたくさんの方々が関わり、大変な労力が伴っている。感謝を忘れないように毎日を生きていこう。そう感じた現場でした。
ちょっと余談。高鍋さん、新潟に来てからご飯が美味しくて順調に大きく育っているそう。「お酒も美味しいですしね」。いいんです、高鍋さん。そんなあなたに、このトンネルは任せましたよ!
■山脇の現場いっすねー!
現場で見つけたちょっと気になるモノをご紹介!