インフラレポート2023|The Future Builders 第6回2023年12月9日
私たちの暮らしは、プロの使命感に守られている! ー エヌシーイー(新潟市)
フェニックス大橋(長岡市)にほど近い浄土川では現在、河川改修工事が行われています。堤防を高くするための盛土をし、堤防を守るための護岸を設置。こういったインフラ工事の調査や設計等を担当するのが建設コンサルタント会社。国や県などの行政とともに、専門的な知識と技術で私たちの暮らしを支えています。
広がる田んぼ、その間を流れる浄土川。振り返ると集落があり、川は集落の中へと続いています。現場では堤防等の河川改修工事中ですが、待ち合わせたエヌシーイーの小潟修也さんは、作業着ではなくスーツ姿。建設コンサルタントの仕事は、道路や河川、橋などの計画や設計等で、普段は新潟市内のオフィスで働いているそう。取材当日は担当した現場まで説明に来てくれました。
「所属は流域防災部です。堤防の高さを決めたり、設計図面を書いたりしています」。洪水時の浸水範囲を検討する氾濫解析も仕事のうちとか。「ここは印象深い現場です。設計業務を行っている令和元年、台風19号の影響で信濃川の水位が上昇し、支川が信濃川に流れ込めずに逆流する『バックウオーター現象』が発生。集落は浸水被害に見舞われました。そこで計画の見直しを発注者に提案しました」。それほど大きな川ではないんですが、この川が逆流して浸水被害が?
当時の写真を小潟さんが見せてくれました。一面が海のようになっていて、川と田んぼの境界も分かりません。「ちょうどここが写真が撮影された場所です」。同じ場所とは思えませんでした。
普段の仕事場も見せてもらえることになって、新潟市内のオフィスへ。すごくきれいなビル。信濃川がすぐそばに流れていて、散歩道があるのも素敵。「お昼、ここで食べたらおいしそうですね」と言ったら、小潟さん笑ってました。
仕事場は、ドラマで見たことのある「ザ・オフィス」といった雰囲気。ここで浄土川の図面も書かれたんですね。小潟さんは入社して5年目。これまで関わってきた現場について聞くと「複数を並行して行っているので、いくつになるか…。コンサルタントは工事を行うわけではないので、まだ工事が始まっていない構造物も多いんです」
線状降水帯とか、集中豪雨とか、ここ数年水害のニュースをよく耳にするようになったけれど、小さな川ひとつにもこうして対策が取られていること、工事現場の裏側には調査や設計という仕事があることを知りました。小潟さんに話を聞いたおかげで、普段の生活は「いろいろな人の力と協力の上で成り立っているって実感。自分よりも若く(まさか年下とは..)笑顔がまぶしい青年が仕事に向き合っていく姿勢に、ビンビンと刺激を受けました。
■チカポンの「現場に片思い♥」
現場で見つけたちょっと気になるモノをご紹介!