製鋼・圧延・加工の技術駆使 製品の付加価値高める

大洞 勝義 氏
昨年はどのような年でしたか。
トラック運転手の労働時間規制強化で物流が滞る「物流の2024年問題」への対処からスタートしました。物流費の高騰を懸念し、対応を進めたのですが、実際は同様に労働時間規制が強化された「建設の2024年問題」の影響の方が深刻だった印象です。人手不足により進捗が遅れた建設現場が多く、鋼材の需要は想定を下回りました。一方、人手不足の問題は、当社においても同様で、職種によっては欲しい人数を確保するのが難しく、採用には苦労しています。
個人的には新潟での暮らしが2年半となり、村上牛や鮭、新鮮な魚介など地域の美食からラーメンなどB級グルメまで幅広く味わっています。上越・高田の夜桜や長岡市山古志の牛の角突きも楽しみました。また、当社はサッカー女子WEリーグのアルビレックス新潟レディースをユニフォームスポンサーとして応援しています。1月には広島まで皇后杯全日本選手権決勝を応援に行きました。
今年のトピックをお話しください。
鉄筋棒鋼は当社の主力商品ですが、厳しい需要環境が続くことが予想されます。少子高齢化など構造的な要因もあり、減少を覚悟しなければならない情勢です。そこで攻める要素として加工分野に力を入れていきます。加工品を製造していた子会社2社を吸収合併するなど、以前より生産性を高めてきました。
加工分野では建設現場での作業量の軽減や脱炭素化に資する製品を強化します。建築・土木現場のニーズや専門商社からの声を取り入れ、課題解決につながる付加価値の高い製品を提供していきます。当社には製鋼・圧延・加工の技術がそろっており、加工に合わせた成分や形状の鉄を作ることが可能です。幅広いニーズに応えていきたいと考えます。
本年度は中期経営計画を更新するタイミング。攻めの部分を積極的に進めていきながら、守りの部分として、縮小した分野の見直し、固定費のコントロールを行います。
若い頃の自分へのアドバイスは。
悪いことも良いことも永遠には続きません。悲しみや絶望は時間が解決してくれますし、幸せや得意の絶頂にあったとしても、移り変わりやすいものです。世の中の変化に左右されず、自分で方向性を見極めようと助言したいですね。
また、人生は長くもあり短くもあります。焦らず自分のペースで進んでいこう、そして人との出会いを大切にしようと伝えたいです。
Overview [概要]

◼所在地 |
〒940-0028 長岡市蔵王三丁目3番1号 TEL.0258-24-5111 FAX.0258-24-4553 |
◼設立 | 1942年6月 |
◼事業内容 | 1.銑鉄、鋼材、鋳鋼等鉄鋼一次製品の製造、加工および販売 2.鉄鋼二次製品の製造、加工および販売 3.非鉄金属、合金鉄の製造、加工および販売 4.鉄鋼構造物の製造、加工および販売 5.各種機械器具の製造、加工および販売 6.窯業製品その他の土木、建築資材の加工および販売 7.土木建築工事の請負施工 8.一般および産業廃棄物の収集、運搬、ならびに処理とその再生製品の販売 9.貨物自動車運送事業、貨物運送取扱事業および倉庫業 10. 前各号に付帯または関連する一切の事業 |
◼資本金 | 19億6,926万9,920円 |
◼売上高 | 318億2,371万円(連結2024年3月期) |
◼従業員数 | 493人(2024年3月31日現在) |
◼工場 | 長岡工場、三条工場、雲出工場、見附工場、喜多方工場 |
◼グループ会社 | ㈱メタルトランスポート、㈱コーテックス、㈱コーテックス工業、㈱イノヴァス |
◼ホームページ | http://www.hokume.co.jp/ |