今年も受賞ラッシュですね。

　国際ワインコンペ「サクラアワード」で、「善 ロゼ」がダブルゴールド、ロゼワイン賞を同時受賞、また「深雪花 赤・ロゼ」「善スパークリング 白・ロゼ」がゴールドを受賞しました。27カ国から４,０２３銘柄がエントリーした大会で、ワイン業界のスペシャリストに認められたことは本当にありがたいことです。
　昨年夏には、14カ国から３,８１２アイテムが出品した「フェミナリーズ世界ワインコンクール２０２３」で「ヘリテイジ２０２０」「深雪花 赤」（赤ワイン部門）と「レッド・ミルレンニューム甘口２０２１」（白ワイン部門）が金賞をいただいています。
　受賞を機に「岩の原ワイン」の知名度、特に若い世代への認知度が高まればと期待します。

今年のトピックをお話しください。

　新潟は米どころゆえ日本酒のイメージが強いですが、県内にはワイナリーが10カ所もあります。１月には県内三つのワイナリーとセミナーを開催し、造り手の話を伝えることができました。今後も県内のワイナリーが集まり、新潟のワインをアピールする機会を企画できればと考えています。
　一方、私たちには創業者である川上善兵衛が苦労の末に１９２７年に生み出した赤ワイン用ぶどう品種「マスカット・ベーリーＡ」があります。日本ワインの発展に貢献した善兵衛の功績を広く伝えるとともに、日本中で栽培されている「マスカット・ベーリーＡ」についても周知していく１年にしたいと思います。試飲会や軽食とのマリアージュ（組み合わせ）を楽しめる企画なども用意し、私たちが受け継いだ川上善兵衛の偉業、チャレンジ精神を県内外の方々に知っていただく機会にします。
　新潟日報Ｏｔｏｎａ＋（おとなプラス）で連載した『葡萄色の夢を追いかけて』には大きな反響がありました。書籍化を望む声も届いています。今年は創立１３５年。１５０周年に向け、地域の皆さんの期待にお応えできるよう、今後も頑張ります。

次世代のリーダーに望むことは。

　当社の若い社員には「経営者になりなさい」と話しています。善兵衛は10年20年先を見据えた目標を掲げ、チャレンジしては失敗するの繰り返しでした。しかし全然めげなかった。逃げない、なんとしてでもやり遂げる気持ちがあったからでしょう。「私が引っ張る」「俺がやるんだ」。こういう人が出てくることで、会社も地域も成長すると思います。