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認知症新薬に期待 早期発見早期治療を

院長
認知症疾患医療センター長
兼任
成瀬 聡

認知症に関する新薬が話題ですね。

 85歳を超えると2人に1人が、90歳を超えると6割から7割が認知症になると言われています。加齢に伴う普通の病気になりつつありますが、できればかかりたくはないものです。近い将来利用できる可能性がある新薬は、認知症で最も多いアルツハイマー病の発症と深く関わる物質に直接作用する「疾患修飾薬」です。発症早期の患者が対象で、症状の進行を遅らせることが期待されています。
 当院ではAIプログラムによる脳ドックを県内で初めて導入しました。記憶や学習に関わりの深い海馬領域の体積を測定し、認知機能検査を組み合わせて総合的に診断します。軽度認知障害や軽いアルツハイマー病と診断されても、新薬による治療を始めれば発症や進行は遅らせることができます。記憶障害かなと思ったら、50代から受けてほしいですね。早期発見、早期治療が大切なのは、がんと同じ。人間ドック同様に考えていただければと思います。
 ちなみに世界保健機構(WHO)が2019年に公表した「認知症リスク低減のためのガイドライン」には、身体活動や社会活動とともに難聴の管理も推奨されています。聞こえにくいと感じる方はご注意ください。

今年のトピックをお話しください。

 すべての県民が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療や介護の提供体制を整備する「新潟県地域医療構想」の実現は、佳境に入りました。高度な急性期医療を経て地域の病院へ転院し、在宅を目指すよくできたプランです。
 地域の健康を見守る開かれた病院を目指す当院では外来を強化します。新型ウイルス禍で顔の見える関係が築きにくい時間が続きました。今後もオンライン診療は継続しますが、緩やかに以前のような状態に戻します。
 また、高度・専門機能の病院機能評価にチャレンジし、本年度中にリハビリテーション(回復期)の認定を目指します。認定されれば県内初となります。今後も地域に密着し、患者さんから信頼される病院づくりにまい進していきます。

新潟の元気のために必要なものは。

 新潟が元気になるには、魅力のある地域になることが一番ですね。新潟はたくさんのいいものを持っています。食べ物もお酒も、どこにも負けていません。ただアピールが足りない。魅力を伝える努力にもっと力を入れていきましょう。私たちもSNSなどで認知症、リハビリ情報を発信していきます。

Overview [概要]

病院外観
◼所在地 〒950-0983 新潟市中央区神道寺2-5-1
TEL.025-244-0080㈹ FAX.025-244-0050
◼開院日 2002年10月1日
◼事業内容 病院
◼診療科目 内科、消化器内科、脳神経内科、リハビリテーション科、循環器内科、呼吸器内科
◼職員数 637人(2023年4月現在)
◼病床数 261床
◼事業所 介護医療院「みどりケアセンター」、介護老人保健施設「緑樹苑」、緑樹苑通所リハビリテーション、みどり訪問看護リハビリステーション、居宅介護支援事業所
◼委託事業 新潟市認知症疾患医療センター、新潟市地域包括支援センター宮浦東新潟、新潟市在宅医療・介護連携ステーション中央第二、生活支援体制整備事業
◼ホームページ https://www.midori-gr.jp/