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新潟の誇り 川上善兵衛に恥じないワインづくりを

代表取締役社長
髙岡 成介

昨年、8年ぶりに「善兵衛」を発売しました。

 マスカット・ベーリーAの出来が最高の年にだけ仕込むワインです。ブドウの味を凝縮させるために摘粒して重量を4分の3に減らし、仕込み過程も特別。ワイン愛好家なら誰もが知っている創業者の名を冠したワインですから、それに値するかどうか製造過程で幾度も検討を重ねます。テイスティングで「これならいける」と決めてからラベルデザインですから大慌てです。久しぶりだったので地元の方々に大変喜ばれ「地域を代表する宝ができた」と言われた時には、私も感無量でした。実は2024年も善兵衛の仕込み体制に入ったのですが、販売できるまでには一歩及びませんでした。
 マスカット・ベーリーAで仕込んだワインは日本食と合います。日本産のブドウ品種だからというのでなく、醤油や味噌に含まれる香気成分フラネオールが含まれているから相性がいいのです。刺し身とも合うと言うと、皆さんまさかという顔をされますが、召し上がってみると分かります。試してみてください。

今年は伝記小説『葡萄色の夢を追いかけて ~川上善兵衛ものがたり~』も発売ですね。

 おかげさまで多くの方に創業者を知ってもらうことができ、最近は起業家や経営者の会合に「川上善兵衛の話をしてほしい」とお声がけいただくことが増えています。当社社員でもある著者の渡辺真守は小中学生の見学に応対しています。地元の高士小学校は1年生から6年生まで「善兵衛学習」に取り組み、諦めない心を学んでいます。われわれも創業者の功績に恥じないワインを造らなければと、励まされます。

今後取り組みたいことは。

 この地で生まれた醸造品種であるマスカット・ベーリーAは、27年が生誕100年。現在でも日本産ワインで最も多く使われる品種で、全国約50社が参加する「MBA1927→」というグループもあり、周年に向けて一緒に何かできないかと考えています。同じ品種でも、仕込んだワインは土地柄によって驚くほど違って面白い。そんなことを体験していただく機会がつくれたらと、いろいろ検討中です。またずっと温めてきたことですが、県内のワイナリーで一緒に何かやりたいですね。新潟といえば清酒で知られ、「にいがた酒の陣」は毎年盛況。酒蔵の皆さんに教えを請いながら、全ワイナリーで力を合わせ、新潟のワインを盛り立てていきたいと思います。

Overview [概要]

岩の原ワインの最高峰「善兵衛」
◼所在地 〒943-0412 上越市北方1223番地
TEL.025-528-4002 FAX.025-528-3530
◼創立 1890(明治23)年6月21日
◼事業内容 果実酒(ワイン)製造
◼資本金 1億円
◼従業員数 27人
◼ホームページ https://www.iwanohara.sgn.ne.jp