金融機関と連携 中小企業に幅広い経営支援を

稲荷 善之 氏
新潟県内の中小企業の経営状況は。
景気は緩やかに上向き、業況が改善している中小企業もありますが、一方で借入を返済できない企業もあり、倒産件数は増えています。企業の債務を信用保証協会が肩代わりする「代位弁済」も高い水準です。私たちは「ともに、その先へ。」のブランド方針の下、中小企業への資金繰り支援と経営支援を業務の大きな柱としています。業績が回復できずにいる企業をどう支えていくかが重要課題です。
具体的な支援の取り組みは。
本年度は二つの保証制度を軸に資金繰り支援を進めます。一つは3月から始まった「協調支援型特別保証制度」。金融機関による独自融資(プロパー融資)と保証協会の保証付き融資を組み合わせ、金融機関と当協会が一層の連携強化を図り、資金繰り・経営改善支援に取り組みます。
もう一つは、経営改善サポート保証について、経営の立て直しが必要な企業に向け、新たな要件を創設しました。金融機関や外部専門家の力を借りて、再生計画を策定した上で、計画実行にかかる資金の供給と併せてモニタリングを実施し、企業の立ち直りに向けた支援を行います。
創業支援にも注力しています。
創業に向けた計画策定や準備のサポートのほか、創業後の経営課題に対する相談への対応にも長年力を入れています。また側面支援として、創業を考えている人や創業間もない人のネットワークづくりや悩みを分かち合う場として「創業交流カフェ」を提供するなど、イベントも開催しています。さらに、専門学校や大学で創業に関する出張授業も実施しており、創業の夢を持つ若者が一歩踏み出す後押しになればと思います。
後継者問題も深刻です。
県内では、後継者がいない事業者が合併・買収(M&A)の形で第三者へ事業承継するケースが増えており、個人経営や小規模企業に多い親族内承継に関しても、さまざまなお悩みをお聞きしています。当協会が2月に開催したセミナーでは、後継者が世代交代を機に新たな事業に挑戦し、永続的な経営を目指す「ベンチャー型事業承継」について紹介し、ご好評をいただきました。引き続きこうしたセミナーをはじめ、事業承継に関する取り組みを地域の支援機関と連携しながら進めていきます。
当協会では夜間の相談窓口や新潟県中小企業活性化協議会などと連携した無料の個別相談会など、さまざまな相談窓口を設けていますので、お気軽にご相談ください。
Overview [概要]

◼所在地 |
〒951-8640 新潟市中央区古町通7番町1010番地(古町ルフル7・8階) TEL.025-210-5131 FAX.025-210-5160 |
◼設立 | 1949年 |
◼事業内容 | 中小企業者に対する経営支援、事業資金に係る債務保証 |
◼保証債務残高 | 4,939億1,665万円(2025年3月31日現在) |
◼職員数 | 110人(2025年4月1日現在) |
◼支店 | 長岡支店、県央支店、上越支店、佐渡支店 |
◼ホームページ | https://www.niigata-cgc.or.jp |