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魚の価値向上 水産卸としての使命

代表取締役社長
岡本 博

今年注力する点について教えてください。

 私たちは水産物の卸売から冷蔵、冷凍、加工、配送までを一貫して行い、新鮮で良質な水産物を安定して供給しています。今年は会社設立75周年で、水産卸としての機能価値をさらに昇華させていきます。「人財」「成長」「調達」「提案力」の四つの価値にフォーカスし、それらをどういう形で高められるか各部門で準備を進めているところです。

漁獲量が年々減少しています。

 天然と養殖を合わせた世界の漁業生産量は、昨年は2億2千万㌧で、日本はそのうちの1.8%に当たる350万~400万㌧。1980年代には1千万㌧を超えていましたので、日本の生産量は激減しています。日本は天然ものが多い一方海外では養殖の方が多く、漁業の中身自体が変わってきています。
 新潟港に限れば総水揚げ量が10年前は8千㌧、2023年は2千㌧でした。巻き網の船が入らなくなったことやスルメイカが揚がらなくなったことなどが影響していますが、10年で4分の1に水揚げ量が減ったことは事実。その状況をいかに価値に変えていくかが私たちに課せられた使命だと思っています。
 魚種で見ると、例えば主に西日本で好んで食べられているサワラの水揚げが佐渡や新潟で増えています。新しい販路を見つけることは大事ですが、やはり地元で食べてもらいたいという思いが強くあり、外食産業や量販店、専門店の方々と一緒に新潟県の皆さんに食べてもらえる機会をつくっていきたいと考えています。
 他県に比べ、新潟県は魚の喫食率が高いです。家庭で丸の魚をおろして調理することを厭わない方がまだまだ多い。一方で、魚がおろせない、マンションなので魚が焼きづらいという話も耳にします。全国的には加工度の高いものが販売の中心で、両方をうまくミックスさせ、魚食の機会が減らないようにしていかなければなりません。県内は鮮魚店発祥のスーパーも多く、工夫して販売してくれるので、非常にありがたいです。

若い頃の自身へのアドバイスは。

 反省しきりなのですが、実は私はメーカー入社3年目の時、卸への出向を大変そうだと思って断ったんです。今にして思えば絶対行くべきで、20代でしか得られない学びが必ずあったはず。当時の上司も私の成長を期待しての提案だったでしょうし、若い人たちには良い機会を決して逃さないでほしいです。

Overview [概要]

左:佐渡荒海サーモン/右:佐渡さくらます
◼所在地 〒950-0114 新潟市江南区茗荷谷711番地
TEL.025-257-6600 FAX.025-257-6748
◼設立 1950年12月8日
◼事業内容 水産物卸売業
◼資本金 3,500万円
◼売上高 140億円(2024年3月期)
◼従業員数 58人
◼ホームページ https://www.yamatsu-suisan.co.jp