脳神経と呼吸器医療で地域に根ざす

大平 徹郎 氏
昨夏は5年ぶりに病院祭を開催しました。
近隣住民の方々をはじめ約500人が来場し、新型ウイルス前の風景が戻ってきてほっとしました。同時に昨年の地震でここに大勢の方が一時避難された時のことを思い出し、数百人の地域の方々を病院内に迎える病院祭は、病院を知っていただく良い機会であるとともに、私たちの災害時のトレーニングにもなると気付かされました。
「チーム西新潟」として職員一丸となり医療に取り組んでいます。
当院は脳神経医療と呼吸器医療を中心に専門性の高い医療をチームで行っています。
脳神経医療では全国に30施設ある「てんかん支援拠点病院」の一つとして、てんかん治療に力を入れています。昨年から難治性てんかん手術の手術支援ロボットを導入し、患者さんと医療者双方の負担が軽減されています。小児の神経疾患や医療的ケア児、成人のパーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経難病の診療を行い、長期療養が必要な方のケアにも力を入れています。「パーキンソン病センター」は多職種が連携し、リハビリや生活上のアドバイス、勉強会などを通して患者さんやご家族の療養生活を多方面からサポートしています。
呼吸器医療では、肺がん、肺炎をはじめとする各種感染症、間質性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、睡眠時無呼吸症などの治療やリハビリを行っています。特に肺がんでは、「がん診療連携準拠点病院」として治療はもちろん、緩和ケアや在宅医療までトータルに対応しています。
また、救急搬送を年間約900件受け入れるほか、新潟市の救急拠点病院の後方支援、すなわち急性期を乗り切った患者さんを拠点病院から引き受けるのも、今日求められる役割です。病気に関する市民講演会なども、地域に根ざした啓発活動として力を入れています。
今年の取り組みは。
この4月から他の病院と提携し、医学部を卒業した初期研修医の受け入れを始めました。その人たちが後に新潟で活躍する医師になってくれればと期待しています。
そして10月には私が会長を務める、呼吸に関するケア、リハビリテーションの学会を新潟で開催します。全国から約2千人の医師、看護師、理学療法士が集まる予定です。患者さんのADL(基本的日常生活動作)、QOL(生活の質)の改善につなげていきたいと思います。
Overview [概要]

◼所在地 |
〒950-2085 新潟市西区真砂1丁目14番1号 TEL.025-265-3171㈹ FAX.025-231-2831 |
◼設立日 | 2004年4月1日 |
◼事業内容 | 病院(呼吸器疾患、脳・神経疾患) |
◼診療 | 呼吸器内科・呼吸器外科・脳神経外科・精神科(てんかん)・脳神経内科・神経小児科・小児整形外科・整形外科・リハビリテーション科・放射線科・麻酔科(佐藤暢夫) |
◼運営事業 | 療養介護事業所「さくら」、児童発達支援・放課後デイサービス・生活介護事業所「あかしあ」、訪問看護ステーション |
◼職員数 | 567人 |
◼病床数 | 400床 |
◼ホームページ | https://nishiniigata.hosp.go.jp/ |