脳神経と呼吸器医療で地域を支えるチーム西新潟
元日の能登半島地震では近隣の方々が病院に避難されたそうですね。
約550人がメインロビーなどに一時避難しました。後日、お手紙などで感謝の言葉をいただき、今後も地域の一員としての役割を果たす励みになりましたね。
当院は海抜15メートル超の高台にある7階建て病棟で2013年竣工。病院に隣接する職員宿舎からすぐに駆け付けられます。井戸水も出ますし自家発電機能も備え、敷地も広い。災害時にできることは多いと改めて実感しました。
病院の特色と注力する点をお聞かせください。
当院は全国29機関のてんかん支援拠点病院の一つ。今年1月から難治性てんかん手術で手術支援ロボットが稼働しています。手術支援ロボットの導入は国内で4施設目。患者さんの負担を減らし、根治の可能性が高まることを期待しています。
脳神経系の難病診療分野別拠点病院でもあり、人工呼吸器やたん吸引などが必要な「医療的ケア児」のお子さんも通院しています。昨年には、災害時の避難先としての体制を構築するため、患者さんの自宅から当院までの避難シミュレーションを実施しました。てんかん医療と小児神経医療には他病院や行政と連携して力を入れている他、パーキンソン病や認知症など脳神経疾患の長期療養も担っています。
呼吸器医療も私たちの特長で、高齢者の肺炎や各種感染症、肺がん、間質性肺炎、タバコ由来の肺疾患、ぜんそく、気胸、睡眠時無呼吸など幅広く対応しています。このほど、新興感染症に対応する医療措置協定を県と締結。今回の新型ウイルス同様の事態を想定した医療体制を整備します。
今年は講演やシンポジウム、7月には病院祭も再開します。地域の方たちと知り合えることは、地域の期待に応えようと努力する原動力になります。将来の新潟の医療を支える大切な人材も育てたいですね。
次世代のリーダーに望むことは。
私は呼吸器内科医ですが、特定非営利活動法人「新潟睡眠障害を考える会」の理事長も務めています。日本は欧米の主要先進国に比べ成人の平均睡眠時間が1時間ほど短い。16年に米シンクタンクが行った「睡眠不足による経済的損失の試算」では、日本人の睡眠不足による経済損失は年間最大1,380億ドルという結果でした。生産性向上と組織の健康のためにも、リーダーはスタッフがしっかり睡眠が取れているかに留意し、自身も睡眠時間を確保すべきです。
Overview [概要]
◼所在地 |
〒950-2085 新潟市西区真砂1丁目14番1号 TEL.025-265-3171㈹ FAX.025-231-2831 |
◼設立日 | 2004年4月1日 |
◼事業内容 | 病院(呼吸器疾患、脳・神経疾患) |
◼診療 | 呼吸器内科・呼吸器外科・脳神経外科・精神科(てんかん)・脳神経内科・神経小児科・小児整形外科・整形外科・リハビリテーション科・放射線科・麻酔科(佐藤暢夫) |
◼運営事業 | 療養介護事業所「さくら」、児童発達支援・放課後デイサービス・生活介護事業所「あかしあ」、訪問看護ステーション |
◼職員数 | 571人 |
◼病床数 | 400床 |
◼ホームページ | https://nishiniigata.hosp.go.jp/ |