福祉・地域と連携し質の高いケアを提供

認知症疾患医療センター長
兼任
成瀬 聡 氏
認知症治療薬「レカネマブ」治療から1年がたちました。
新薬を使った治療ができる投与施設は限られていますが、着実に治療は進んでいます。病気の原因物質を除去するという画期的な薬は光明なのではないでしょうか。今後もいろいろな薬が出てくることを期待します。新潟市内の医療機関では認知症の早期発見・診断・治療のための連携がスムーズに進んでおり、治療薬にもより理解が深まればと思います。
他にも連携を進めていることはありますか。
リハビリに関しては急性期医療施設、グループホームなどの高齢者施設との連携を強化していきます。脳卒中などの脳血管障害で入院した患者さんの治療が進んだら、いち早く当院で受け入れ、リハビリに取り組んでもらいます。リハビリは専門化と集約化が進み、できるだけ早く始めていただくことで早期回復が期待できます。少しでも早くご自宅や元の施設へ戻れるよう、医師、看護師、介護士、リハビリスタッフ、医療ソーシャルワーカーがチームで対応していきます。
今年注力することをお聞かせください。
2月に発足した「ケアする病院ネットワーク」で発起人を務めています。身体拘束ゼロを目指した医療を実践する医療機関による研究会で、患者さん中心のケアの実現を目標としています。生命に関わる時以外は身体拘束をしない。患者さんの人権・尊厳を守る医療を目指していきます。
また、今年11月21日から23日まで朱鷺メッセ(新潟市中央区)で「第44回日本認知症学会学術集会」が開催されます。テーマは「認知症共生社会の構築に向けて」。誰一人取り残すことなく、多職種で力を合わせて共生社会の構築を目指す学会です。一般の方にはご覧いただけませんが、県民の皆さんにとって認知症に関する理解を深めるきっかけになればと思います。
もう一つ、今年こそやりたいのがスタッフに向けた「接遇研修」です。患者さんとご家族に寄り添うスキルを磨いていきたいですね。
若い頃の自分にアドバイスするとしたら、どんな言葉をかけますか。
今になってもったいなかったと思うのは「大学時代にもっと勉強しておけばよかった」ということです。せっかく恵まれた環境にいたのに、幅広い医学をもっと勉強していたらという後悔です。「専門科目以外も積極的に学ぼう」と伝えたいですね。
Overview [概要]

◼所在地 |
〒950-0983 新潟市中央区神道寺2-5-1 TEL.025-244-0080㈹ FAX.025-244-0050 |
◼開院日 | 2002年10月1日 |
◼事業内容 | 病院 |
◼診療科目 | 内科、消化器内科、脳神経内科、リハビリテーション科、循環器内科、呼吸器内科 |
◼職員数 | 625人(2025年3月現在) |
◼病床数 | 261床 |
◼事業所 | 介護医療院「みどりケアセンター」、介護老人保健施設「緑樹苑」、緑樹苑通所リハビリテーション、みどり訪問看護リハビリステーション、居宅介護支援事業所、住宅型有料老人ホーム・デイサービス「浜浦みどり荘」 |
◼委託事業 | 新潟市認知症疾患医療センター、新潟市地域包括支援センター宮浦東新潟、新潟市在宅医療・介護連携ステーション中央第二、生活支援体制整備事業 |
◼ホームページ | https://www.midori-gr.jp/ |