地域に頼られ世界に貢献する大学目指す

牛木 辰男 氏
昨年度、文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J‐PEAKS)」に採択されました。
私の学長任期中に残された重要な課題が、社会に役立つ優秀な人材を輩出するための大学院改組と、J‐PEAKSに採択されることでした。医・歯学と保健学がまとまった大学院と、人文社会学系・自然科学系を融合した大学院の2系統にする改組は2026年度からスタートのめどが立っています。また今回、本学が提案したJ‐PEAKS事業「未来社会の〝脳といのち〟と〝食と健康〟のイノベーションを創出する研究拠点」が無事採択されたことに安堵(あんど)しています。
新潟大学はすでに〝脳といのち〟領域では脳神経病態研究や再生医療など、〝食と健康〟領域では暑さに強いコシヒカリ研究や食味・機能性表示食品研究などの実績があります。これに、本学のデータサイエンス分野や「ELSI(科学技術に関する倫理的・法的・社会的課題)」といった成長・未来分野を掛け合わせ、さらに脳研究所の「ブレインバンク」を活用して研究強化を図ります。そのために、国内外の大学・研究機関との連携の強化も進めます。例えば海外ではデンマーク・オーフス大学、フランス・ボルドー大学、インド理科大学院大学などとの連携が進んでおり、国内では中部大学の数理データ科学との連携が始まっています。
加えて、教員の研究活動活性化や研究マネジメントの強化を支えるために、新たな高度専門職「UA(ユニバーシティ・アドミニストレータ)」制度を整備し、その育成を推進します。これにより、各教職員が能力を存分に発揮できる職場となり、研究とイノベーションの両輪で発展する大学、さらに地域の誇りとなり世界に貢献する大学を目指します。
「にいがた2㎞(にきろ)『おいしさDX』産学官共創プロジェクト」の中核機関として参画しています。
内閣府が進める地方大学・地方産業創生交付金による新潟市の事業です。本学が社会との共創を意識して進める「共創イノベーションプロジェクト(共創IP)」の一つに、「おいしさDX共創IP」があり、この事業でその取り組みが加速しました。食品関連業者と協働し、大学とIT企業が食材・加工・販売・消費に関するデータを蓄積・データベース化します。これをブランド化や商品開発に役立て、新潟市の食と農の強みを生かしたビジネス創出につなげます。産官と連携し、若者に魅力ある地域づくりに貢献していきます。
Overview [概要]

◼所在地 |
〒950-2181 新潟市西区五十嵐2の町8050番地 TEL.025-262-7500 FAX.025-262-6539 |
◼開学 | 1949年5月 |
◼学部・研究科 |
(学部)人文学部、教育学部、法学部、経済科学部、理学部、医学部、歯学部、工学部、農学部、創生学部 (大学院)現代社会文化研究科、自然科学研究科、保健学研究科、医歯学総合研究科、教育実践学研究科 |
◼学生総数 | 学部生10,006人 大学院学生数2,112人(2024年5月1日現在) |
◼卒業生総数 | 学部:124,490人(2024年3月31日現在) |
◼教員数 | 1,205人(2024年5月1日現在) |
◼ホームページ | https://www.niigata-u.ac.jp/ |