発信力を磨き、市場価値を高める1年に

岡本 博 氏
今年のトピックをお話しください。
昨年は強い基盤をつくる体力強化の1年でした。今年から中期経営計画がスタートします。テーマは「価値の多角化」。深掘り・創出・拡大・継続をキーワードに未来を志向します。漁師、荷主、メーカーから送られてくる魚介を消費者につなぐのが卸売業。受け身になりがちだった姿勢から、発信力を高めていきます。
まず、近海の新鮮な魚介が集まり魚種も豊富な市場の価値を高めていきたいですね。そのためには集荷提案力を磨くことが必要。仲卸、加工、電子商取引(EC)、物流といった山津グループの力を結集し、卸プラスアルファの価値を高めます。地元の方々と協働し、山津のオリジナリティーも発揮することで、ひいては漁師の安定的な収入につながるような仕組みもつくりたい。水産物のトータルプロデューサーを目指します。
また、海の豊かさを守るのは私たちの仕事の大前提。当社ではSDGs宣言を行い、身近なところから取り組んでいきます。このほど、県内で初めて資源管理などに配慮した魚介類を認定する「マリン・エコラベル」も取得しました。今春以降、持続可能な養殖場を認証する「ASC」、持続可能性に配慮した漁業を認定する「MSC」の流通認証を取得し、高まる持続可能な食への関心に応えます。物販・飲食各業界の皆さま、生活者の皆さまへの啓蒙活動にも力を入れていきたいです。
その他の事業はいかがですか。
銀鮭を佐渡沖で養殖する「佐渡荒海サーモン」事業は7年目になりました。今年は育ちが良く消費者の皆さまにもご満足いただけると思います。
四方を海に囲まれ長い海岸線を持つ日本は、魚がとても身近です。それなのに日本の漁獲量は50年前に比べて半減してしまいました。魚食の機会が減った日本で、子どもたちにおいしい魚をたくさん食べてもらおうと「イートフィッシュプロジェクト」を展開。当社にも魚の伝道師「おさかなマイスター」が複数います。次の世代に魚食の素晴らしさを広げる機会を増やしていきたいですね。
若い世代へのメッセージをお願いします。
ある講演を聴講して強く心に残った、Initiative(イニシアチブ)とTenacity(テナシティ)を「もう一つのIT」として送りたいですね。イニシアチブは主体性。テナシティは執着心、あきらめない気持ち。何事にも主体的になり、粘り強く諦めない気持ちを持って、活躍してほしいです。
Overview [概要]

◼所在地 |
〒950-0114 新潟市江南区茗荷谷711番地 TEL.025-257-6600 FAX.025-257-6748 |
◼創立 | 1950年12月8日 |
◼事業内容 | 水産物卸売業 |
◼資本金 | 3,500万円 |
◼売上高 | 134億円(2021年3月期) |
◼従業員数 | 57人 |
◼ホームページ | https://www.yamatsu-suisan.co.jp |