包装資材以外の段ボールの可能性を追求

森井 康 氏
救護用パーテーション「あんしんウォール」が「ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール2024」で審査委員特別賞を受賞しました。
歴史あるコンクールで評価されたことは励みになります。「あんしんウォール」はAED(自動体外式除細動器)使用時など救護においてのプライバシー保護や、避難所の簡易的な間仕切りとして使用できるものです。蛇腹状に折りたたんでコンパクトに保管できますし、約7.5㌔と軽いので持ち運びしやすい。これまで日本赤十字社新潟県支部を通じて上越市内の小学校に27台寄贈しました。全国に約69万台設置されているというAEDと一緒に備えてもらえればありがたいですね。
災害時に電気・水道などインフラが寸断されても使用できる家庭用段ボール製トイレも開発中です。ビニールや臭いを吸収する薬剤などをセットした洋式トイレ型で強度も十分。今年中に発売を予定しています。
当社は数年前から、避難所用の段ボールベッドなど包装資材以外の段ボール製品開発に注力してきました。今後も推進していきます。
本年度の経営指針は。
「使命の認識と遂行」がテーマです。どんな社員にも立場に応じた使命がある。忙しい日常業務では、使命を意識しないと気付きや改善意欲は生まれません。企業は人の集積。社員それぞれの質感が高く、目指すところが明確なら企業価値が向上する。価格競争に巻き込まれない経営のために、会社の付加価値を出すブランディング活動にも力を入れます。
段ボール生産は地場産業。包装材は「サイレントセールスマン」とも言われます。当社の企画力・技術力・設計力・ネットワークを生かし、顧客の皆さまに役立つことを積極的に実行したいですね。
地域貢献にも積極的です。
サッカーJ1のアルビレックス新潟など、新潟のスポーツチームをサポートするほか、二つの営業所を構える山形のJ2・モンテディオ山形を支援しています。燕市内の小学生からインターンシップの大学生まで、幅広く職場体験の受け入れを行っていますし、燕市の再生可能エネルギー関連プロジェクトにも関わり、地域振興に寄与しています。
若い頃の自分へのアドバイスは。
「つらさや苦しさから逃げたらいかん」と、過去の自分が目の前にいるなら言ってやりたい。チャレンジを恐れ心が逃げていた場面があり、少し後悔しています。
Overview [概要]

◼所在地 |
〒959-0215 燕市吉田下中野1551番地2 TEL.0256-92-2155 FAX.0256-92-6156 |
◼創業 | 1919年1月8日 |
◼事業内容 | 段ボールシート及び段ボールケース製造販売、包装資材販売 |
◼資本金 | 4,500万円 |
◼売上高 | 32億円 |
◼従業員数 | 100人 |
◼営業所 | 東京営業所、東北営業所、山形営業所 |
◼グループ会社 | ㈱オーエムパック、㈱ペック、モリックス運輸㈱、エクセレント㈱、森井香港有限公司、森井包装設計(深セン)有限公司 |
◼ホームページ | https://www.morii-group.co.jp/ |