「発酵エンターテインメント」の拠点オープン

髙澤 大介 氏
新しい施設がオープンします。
「KIKUSUI蔵GARDEN(きくすいくらがーでん)」は、酒だけでなく「発酵」をキーワードに、五感で感じ取っていただくエンターテインメントの場です。従来の観光酒蔵とは軸を異にし、日本酒好きの方にも、全く興味のない方にも、何か発見があり、日々の暮らしをちょっと面白く、豊かにしてもらうことを目指した施設です。地元の子どもたちが発酵や地域の食文化を学べるような仕掛けも考えています。
なぜこのような場をつくったのでしょうか。
かつては、一生懸命に高品質を目指せば売れた時代がありました。潮目が変わったのが1990年代後半。販売が伸びず、苦悩を続けていた頃に見たのが、父がコレクションした自動車のカタログです。これらを見て気付いたのは車が憧れだった60年代は、車そのものを見せれば良かった。しかし自家用車が一般的になった1990年代には、その車を手に入れたらどんな暮らし、どんな楽しみが待っているか、というライフスタイル提案が主流になっていたということです。われわれはものづくりに傾倒しすぎ、コトづくりを顧みなかったことに気付きました。以来、モノとコトを合わせた価値を提示していくノウハウを学び、体系化に時間を費やしてきました。2004年に立ち上げた日本酒文化研究所もその一環です。
日本の総人口は減少、日本酒を飲む人も減り、コアユーザーの年齢層も高い。そのため輸出に力を入れ、酒以外の商品開発も行ってきました。一方で私たちは日本酒に接点のない大多数の日本人もお客さまとして重視したいのです。そのためのプラットフォームがKIKUSUI蔵GARDENです。
人は本来保守的ですが、選択肢が増えれば日々はより豊かになります。そのために必要なのは、出合いと感動。KIKUSUI蔵GARDEN内の各施設では、日本酒の意外なおいしさ、発酵の奥深さを楽しんでいただけるモノ・コトを用意しています。県内の研究機関と協働し、体験を深化させる取り組みも進めていきます。日本人だけでなくインバウンド(訪日客)も視野に入れ、世界に発信できる施設を目指します。
若い頃の自分へのアドバイスは。
現在毎月アメリカに出張しています。若いうちにしっかり英語を学ぶべきでした。言葉は意思疎通の道具ですから、単に話せるだけでは駄目で、お互いの心を通わせるものでなくてはなりません。
Overview [概要]

◼所在地 |
〒957-0011 新発田市島潟750 TEL.0254-24-5111 FAX.0254-23-5255 |
◼創業 | 1881(明治14)年 |
◼事業内容 | 清酒製造販売、リキュール製造販売、全酒類卸小売販売、その他食料品製造販売 |
◼資本金 | 9,950万円 |
◼従業員数 | 126人(2024年9月末時点) |
◼米国現地法人 | KIKUSUI SAKE USA,INC. |
◼ホームページ | https://www.kikusui-sake.com/ |