地域社会との共存共栄を基盤に 絶え間ない挑戦を

小田嶋 壽信 氏
本年度の取り組みは。
来年が創業80周年に当たり、さらに次を見据えて100周年を目指した企業づくりに取り掛かっています。まずは2026年度から始まる次期中期経営計画を策定し、社内体制の見直しに着手します。企業規模面で大企業認定が視野に入っていることから、ガバナンス強化のための組織体制変更も進めており、本年度が大きな転換期の始まりになります。
本業のエレクトロニクス分野では、猛烈な勢いで進化するAIや次世代通信規格「6G」に対応する高度化したデバイスのための新しい材料が求められており、ここ数年はその開発にリソースを集中しています。
農業分野では、今夏に新潟市西蒲区で観光農園施設の建設に着手します。スマート農業に触れ、新潟の食を味わって1日過ごせる場を創り、農業分野に意欲を持つ人材には新たな研究や発表の場を提供する予定です。北区の試験農場ではスマート農業がどのような結果を生み出すか、さまざまな実験を行っています。データに基づく農業の実証を積み、参入のハードルを下げたいと考えます。
女性活用や社会貢献への考えは。
全社員の3割、エンジニアの3割が女性です。徐々に女性の役職者も増えており、当社の核となる管理職としての活躍を期待しています。さまざまなライフイベントを経ても女性が意欲を持って能力を伸ばし、キャリア形成をしながら定年まで働けるよう、ご家族の理解を含めた啓発に力を入れます。
当社ができる社会貢献は、「青少年の育成」、「スポーツ振興」、「文化の発展」へのサポートによる地元新潟の地域振興です。その一つとして県と新潟日報社が取り組む「アンビシャス ニイガタ」をいち早く支援させていただきました。高校生や大学生が企業人に接する場で、学生は人脈や知見を得、企業側はリアルな市場に触れる機会となります。多様性と創造性に富んだアイデアが生まれることを期待しています。
若い頃の自分へのアドバイスは。
若い頃の経験が土台となって今の自分があるので、もっといろいろなことをやっていれば、さらに幅広い視点や考え方を築けていたのではないかと思います。先代が「後悔するような人生を送るな」と言い続けていた意味が、今改めて理解できます。やったことに関しては「反省」することで次につなげられますが、やらなかったことは「後悔」にしかなりません。やりたいことは迷わずチャレンジしなさい、と言いたいですね。
Overview [概要]

◼所在地 |
〒950-3131 新潟市北区濁川3993番地 TEL.025-258-5577 FAX.025-258-5511 |
◼設立 | 1947(昭和22)年2月17日 |
◼事業内容 | エレクトロケミカル材料の研究・開発、製造、販売 |
◼資本金 | 8,000万円 |
◼売上高 | 1,040億円(2024年度見込み) |
◼従業員数 | 774人(2025年3月末現在) |
◼営業所など | 営業所:東京・大阪 研究所(ナミックステクノコア):新潟市北区島見町 工場:新発田市 海外拠点:米国、台湾、韓国、中国、ドイツ、シンガポール |
◼グループ会社 | ㈱タック・エンジニアリング |
◼ホームページ | https://www.namics.co.jp |