M&Aを加速 事業多角化で経営安定を図る

渡邉 雅之 氏
企業の合併・買収(M&A)を推進しています。
AIやドローン配送の進化、自動運転などが現実になりつつある時代、物流1本ではなく、他に利益を上げられる柱が必要と考え、2017年に社運と私の人生を賭けて最初のM&Aに挑みました。その後18社M&Aを行い、現在では25社になりました。
現在の事業は物流事業を核としてシナジー(相乗効果)を考えながら補完するビジネスを内製化するなど多角化することで景気に左右されず、経営バランスが取れています。
M&Aでは、相手会社がそれまで築いてきた知名度と信頼、人財を引き継ぐことができます。近年は相手会社の社長が継続できるM&Aをしており、その社長や幹部がグループ全体の経営を支えてくれています。
本年度の経営戦略は。
燃料や車両コスト、人件費が高騰しても、中小の多い運送業界では顧客に価格転嫁の交渉をするのは難しい。また人財確保も困難で相当数の倒産が想定される、大きな転換期になるでしょう。経営に苦しむ企業をグループ傘下にし、全体で成長するためにM&Aを加速します。
物流に必要なトラックは、荷台の加工ができる会社が少なくなり、発注から納車まで時間がかかる状況です。本年度は以前より計画していた荷台の架装や再利用するビジネスモデルの確立を目指します。
福祉事業として、障がいのある子どもを支援する放課後等デイサービスの施設を展開してきましたが、この春、就労の場として弁当事業を手がける就労継続支援A型事業所「ココ・ラッテ」をオープン。多様性の時代に対応し、幅広い採用に努めます。
社内保育園も展開し、女性の就労をサポートしています。グループ内では2人の女性社長が活躍中。将来は管理職の半分を女性にしたいです。
直江津港で日本酒やワインの海底熟成事業も行っていますね。
23年に熟成を開始し、商業化の目途が立ち今年3月1日に引き上げました。今後はクラウドファンディングで資金を募り、発売する予定です。また、雪室倉庫にて音で熟成させる計画もあります。新潟は酒の一大王国。ブランディングのお手伝いができればと思っています。
若い頃の自分へのアドバイスは。
「太るから食べすぎるなよ」くらいかな(笑)。仕事には後悔がないのですが、家庭を顧みず仕事と青年会議所の活動に集中してきたので、家族との時間はもう少し大事にすべきでした。
Overview [概要]

◼所在地 |
〒955-8505 三条市月岡字綾ノ前2783番地1 TEL.0256-34-2621代 FAX.0256-33-2019 |
◼創業 | 1913年 |
◼設立 | 1954年8月 |
◼事業内容 | 総合物流サービス(3PL、貨物輸送、倉庫保管、物流コンサルティングなど) |
◼資本金 | 9,800万円 |
◼売上高 | 46億1,778万円(グループ全体140億円)(2024年9月実績) |
◼従業員数 |
453人(グループ全体1,431人)(2025年1月現在) ※パート含む |
◼グループ会社 | ㈱MARUKI、㈱マルソー・トランスポート、㈱ファースト・ブレイン、三条タクシー㈱、㈱マルソー・ロジテック、㈱Wastec ENERGY、上越建設工業㈱、㈱マルソー物流サービス、㈱トラス・テック、新潟郵便輸送㈱、㈱しごとば、㈱まるぐる 他 |
◼ホームページ | https://www.maruso.co.jp/ |