昨年８月、持続的成長と企業価値向上を目指す「中長期成長戦略２０３０」を策定されました。

　新たに「Rice Innovation Company」をビジョンにしました。創業以来培った技術とノウハウを生かし、国内外で新価値、新市場の創造を目指し、製菓業から米業へと変革します。
　本年度から26年度までは、お米の価値を全面的に打ち出すことに注力します。国内米菓事業は既存商品に磨きをかけてアップグレード。「亀田の柿の種」「ハッピーターン」「つまみ種」「無限シリーズ」を重点４ブランドとして集中的に展開し、健康面などを考慮した新たな価値を付加した商品を「ミライベイカ」としてアップデートします。
　海外事業は順調に規模を拡大しています。米菓は東南アジアを中心に、現地で製造し諸外国で販売するクロスボーダー取引を進行します。食品事業では、防災食やアウトドア食としても注目される長期保存食や米粉パン、プラントベースフード、お米由来の乳酸菌、米たんぱく質などに一層力を入れます。これらの事業はサステナビリティを含めた社会課題に貢献する取り組みでもあります。
　社内システムも部署の垣根を越えてオペレーションしやすい環境を整えつつあります。これまでの66年間、お米の価値を磨き上げてきた歴史を基に、国内で盤石の収益体制を築き、国内外の各事業に投資していきます。

本年度のトピックは。

　グループ会社の「タイナイ」はアレルギー特定原材料等28品目不使用の米粉１００％パンを生産しています。ニーズの高まりを受け建設していた米粉パン専用の新工場がこの春に竣工し、９月から稼働予定です。今後は世界展開も視野に入れています。
　また今年３月、新潟駅のＣｏＣｏＬｏ新潟にアジカル初のファクトリーショップ「ＨＡＰＰＹ ＳＨＯＰ（ハッピーショップ）」がオープンしました。限定商品やご当地商品も販売。今後も事業を通し新潟の活性化や発展力向上に寄与したいですね。

次世代リーダーに望むことは。

　大きな指針・方向性を打ち出した後は、現場にある程度の権限や裁量権を渡し、最後まで任せきることが大事です。変化の激しい現代では、トップダウンではなくボトムアップを引き出すリーダーが求められています。メンバーの心理的安全性の確保も大切です。メンバー同士が連携を取り、一歩前に踏み出すために自ら考えられる環境をつくることが、私の役割だと考えています。