ＳＤＧｓの目標達成に向けた取り組みの進捗はいかがですか。

　持続可能な社会の実現には人権、環境などあらゆる面から慣行を見直すなど不断の努力が必要で、粛々と取り組んでいます。対外的にも注目されているのは、清掃へのアルカリ電解水の導入です。強力な洗浄力を持ち、除菌や防カビ、消臭効果に加え、従来の洗剤とは違い界面活性剤や化学物質を使用していないため、排水の環境負荷が少ないのが特徴です。昨年初導入し、２０３０年までに全業務での切り替え完了を目指しています。企業活動において、環境への配慮は待ったなしだと感じています。当社を選んでいただくことでお客さまが環境負荷を削減できる、そんな企業を目指しています。

ＤＸにも積極的に取り組んでいます。

　ビルメンテナンスは従来は労働集約型です。少子化に対応しつつ持続可能な働き方を実現し、なおかつ生産性を上げていくためにはＤＸは欠かせません。清掃ロボットの導入をはじめ、ＤＸ人材の育成、社内システムの再構築、データの整備・活用方針の整理など、あらゆる面から不断の取り組みを進めています。

都内は再開発の勢いが続いていますね。

　歓迎するとともに、本社を現在地、新宿センタービルに移した頃のことが思い出されます。元は東京都の浄水場があった場所で、地上54階地下４階の超高層ビル。竣工した１９７９年にはまだ周囲にこんなビルは多くありませんでした。そこへ私が清掃の営業に行ったら「１００坪ほど借りてくれれば仕事を出すよ」と言われたんです。当時は京橋に事務所を借りていましたが、坪単価が４倍。入居したものの「二幸産業はつぶれるな」と同業者からは思われたものでした。ところが、ここに本社があるなら確かな企業だろうと思っていただいたのか、どんどんお客さまが増えました。その後都庁ができ、今や周囲は高層ビルばかり。時代の変化を感じます。

次世代のリーダーに望むことは。

　部下のモチベーションを高めるだけでなく、個々のメンバーの才能や可能性を開花させる資質が求められます。現在の多様性社会の下では、全員がそれぞれの個性を生かしながらリーダーシップを発揮していくというのが理想ではないかと思います。日頃からコミュニケーションを大事に、さまざまなことにチャレンジし、知識と経験を増やしていってほしいと願っています。