日本海の幸守り魚食文化を次世代へ
昨年来、世界的に気温が上昇しています。漁業への影響は。
具体的な例を挙げれば、新潟でこの1、2月にサゴシがかなり揚がりました。サゴシはサワラの幼魚で、かつては西日本で多く獲れた魚。一方で、新潟では初夏に全国でも有数の水揚げのあったスルメイカは、近年以前のように獲れなくなってしまいました。海水温上昇で魚がいなくなるわけではなく、どこにいるのか分からなくなることが、漁業継続を困難にします。EEZ(排他的経済水域)で世界第6位の面積を持つ日本でも、養殖魚の割合は確実に増えています。
日本人の水産物消費は減少傾向にあります。
小学生を対象に出前講座をすると、喜んで食べてくれます。みんな魚が好き。それでも魚離れが進むのは、調理が面倒、骨など食べるのが手間などという理由に加え、今は値段の高さもあります。世界市場では大きな対価を払えるところへ商品が集まります。日本はそもそも買い負けしているところに昨今の円安で非常に厳しい状況。世界に誇る日本食の文化、日本人の身体に合った食事を守っていくために、われわれの役割がこれまでになく重要になっていると感じています。
当社の事業のコアは、集荷と分荷。全国各地で水揚げされる魚を新鮮なまま必要としているところへ届け、できる限りロスをなくす。それによって漁業者に再生産可能な対価を支払うことができ、消費者価格も下げられます。
これまで、調理が大変というマイナスを払拭するために鍋セットなどのオリジナル商品を企画してきました。なじみのない魚も含め、食べてもらう工夫をすれば、まだ魚食には伸びしろがあると考えています。魚食文化を絶やさないため、魚の価値を高めるためにあらゆることに取り組んでいきます。
次世代のリーダーに望むことは。
われわれの業界に限って言えば、生活者に貢献するという共通の目的に向かって取引先との協働を培い推進していくことが肝要です。
広義のリーダー像としては、「可能性を排除しない」「停滞しない」でしょうか。このためには常に大局的であること、スピードと決断力が求められます。期限を設定しているか、納期は守っているか、打ち手の鍵は「先取と創造」です。変化は対応するだけでなく自ら創造していく、そういう気概を持って仕事を組織を引っ張っていってほしいと思います。
Overview [概要]
◼所在地 |
〒950-0114 新潟市江南区茗荷谷711番地 TEL.025-257-6600 FAX.025-257-6748 |
◼創立 | 1950年12月8日 |
◼事業内容 | 水産物卸売業 |
◼資本金 | 3,500万円 |
◼売上高 | 142億円(2023年3月期) |
◼従業員数 | 58人 |
◼ホームページ | https://www.yamatsu-suisan.co.jp |