昨年はどんな１年でしたか。

　ハードオフ30周年の記念事業を軸に、リユースの意義を幅広くＰＲした１年でした。その一方で、今一度地に足をつけて、掃除やあいさつといった基本を大切に、基礎力を高めることに注力しました。昨年度は28期連続での増収を見込んでおり、正しいことを続けることで正しい結果に結び付くということも実感しました。新店舗に関しては海外と関西圏方面への出店を加速させています。目標である１,０００店舗は、本年度中に達成できるのではないかと予想しています。

今年の経営計画についてお聞かせください。

　本年度は「深めて尖（とが）る」をテーマとしています。私たちがリユースを行ってきた30年を振り返ると、トップランナーとして業界を切り拓いてきた自負があります。消費者同士（ＣｔｏＣ）の取引サービス普及などで一時的に視界が曇った時期もありましたが、従業員の専門性と人間力を深めていくことが重要だと考えています。深化することでリユースの付加価値を見いだし、とがることでユニークかつ唯一無二の存在となり、健全なリユース市場をけん引していきます。

リユースに関しての新たな取り組みは。

　全般的に活況を呈するリユース業界ですが、当社は新業態としてウェブにおける買い取りチャネルの構築にチャレンジします。また、「サステナブルセンター」を全国各地に開設します。これまでは持ち込まれた商品は店内で選別し、使えないものは海外利用するケースがほとんどでしたが、より緻密に分別し、なるべくものを捨てない、真のエコ企業を目指していきます。
　採用人事においては、２０３０年までに女性社員比率30％を目指す「３０３０プロジェクト」に取り組んでいます。オフハウスなどの店舗では女性のお客さまが多いこともあり、女性にとっても働きやすい環境を創出していきたいです。

次世代のリーダーに望むことは何でしょうか。

　事実と真実を見極めることです。これだけ情報がありふれている社会の中で、事実であっても真実ではない情報も数多くあります。その中で自ら足を運び、自らの目で見て「リアル」なものに触れることが、今まで以上に必要になってきます。知識を得るだけでなく、物事を深く考えて突き詰めていく貪欲さも大切にしてほしいです。