今年のトピックをお話しください。

　製品の品質と性能を磨き続けてきたことで、会社全体の力が高まってきており、新規受注だけではなくリピート率も順調に上がってきました。国内大手と対等に戦えている実感があります。
　今年は海外比率を50％以上にするための基盤づくりを目標に掲げました。ドイツに子会社を設立し、アジアがメインだった海外市場を欧州にも広げていきます。欧米の展示会にも積極的に出展し、世界各国に販売網を築くことで、グローバルブランドの形成と販売力向上に努めていきます。
　現在、海外人材の求人活動も行っており、既に社内には４人の外国人が働いています。彼らには、将来的に現地法人や販売代理店と一緒に活躍してもらうつもりです。

積極的な１年になりそうですね。

　今年は｢売る｣体制にかじを切ります。
　当社は、製品を開発するのに長い時間がかかります。主力商品ともなれば10年以上にもなります。ただ、顧客満足や製品寿命のためには時間が必要。長い年月をかけ完成度を上げた当社製品の魅力を伝え、顧客や販売代理店から選ばれるための活動により注力していきます。
　検査機市場には、潜在ニーズが多くあると考えます。そのニーズを発見するには、顧客の視点に立って困りごとに向き合うことが大切。顧客の困りごとを的確に把握し、競合他社と差別化された独自価値を持つ製品を提供することで、国内外問わず競争力の高い企業へ成長していきたい。
　製品にＳＤＧｓの思想を取り入れるのも当社ならでは。シンプルでコンパクト、それでいて高性能な製品は消費エネルギーも小さい。異物検査機は、商品リコールで発生するフードロス削減にも大きな効果があります。この点も強くアピールしていかなければなりません。
　社内でやり遂げないといけないと考えているのはＤＸですね。これまで蓄積してきた膨大なデータを指標化し、マーケティングや社内体制の改善・強化につなげていく。これらを社内で全て行うことができるのは大きな強みになります。

次世代のリーダーに望むことは。

　私たちのようなメーカーでは、企業人を教育するのには大変な時間がかかります。｢メーカー思考｣であれば、その過程も仕事も楽しめるでしょう。
　目の前を通り過ぎる数多くのチャンスをつかまえることができるかどうか。競争力の根源は「人」。狙う市場を正しく選び、競合他社と差別化できる次世代リーダーに期待しています。