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中国工場が稼働 「次の1 0年」スタートの年に

代表取締役社長
五十嵐 一也

創業70周年です。

 国際問題にも翻弄され6年近くを費やしましたが、2月にようやく中国工場が稼働しました。これで懸案の水の郷工場(魚沼市)増設にも着手できます。新型ウイルスによる混乱の数年を経て、まずは次の10年に向け、良いスタートができたと思います。

中国工場では低タンパク米、ごはんの製造を行っています。

 慢性腎疾患から透析に至るのを予防するためには、タンパク質の摂取を減らす食事療法が有効です。主食で摂取するタンパク質を減らすことで、おかずの選択肢が増やせますから、QOL(生活の質)が上がり継続しやすくなります。中国では食事療法や栄養管理がまだ普及していませんが、今後大いに期待が持てる市場ですし、健康と患者さんのQOL向上に貢献できる意義は大きいと考えます。低タンパクごはんは、日本でも新潟県内の4社だけが生産してきた新潟オンリーの食品。これを中国でも広めていきたいですね。原料米は、遼寧省で日本人が育てているコシヒカリを使っています。

その一方、ここ数年高タンパク食品が注目されています。

 病気や加齢によって量が食べられない方の体力維持のための栄養補助食品としてニーズが高まっています。昨年は供給不足を起こしてしまい、急きょ生産ラインを2倍に増やしました。病院食は管理栄養士が厳格に管理しており「ないから別の物を食べてください」とはいきません。われわれの責任の重さを痛感するところです。カップ入りでふたを開ければ食べられるものを用意するなど、医療現場の省力化にも配慮しています。

1月の能登半島地震では「レスキューフーズ」を被災地に届けたそうですね。

 中越地震の経験から、水も火もないところで温かいものが食べられるよう開発したのがレスキューフーズ。東日本大震災もそうでしたが、今回も寒い時期に起きた災害。食べて少しでも身体を温めてほしいと願うばかりでした。当社は災害食のメーカーではなく、さまざまな食シーンに寄り添う食品メーカー。どんな時も食べておいしい、食べてほっとするものを提供していきます。

次世代のリーダーに望むことは。

 グローバルなものの見方ができることでしょう。「オール新潟」とか「オールジャパン」とか、そうしたこだわりは共感を呼ぶかもしれないけれど先細るだけ。宗教や肌の色、文化の違いに惑わされない人を望みます。

Overview [概要]

◼所在地 〒949-7492 魚沼市堀之内286
TEL.025-794-2211 FAX.025-794-3225
◼設立 1955年1月18日
◼事業内容 食品製造業(食肉常温品・介護食・治療食・災害食 他)
◼資本金 2億5,000万円
◼売上高 52億円(2023年3月期)
◼従業員数 210人
◼営業所 新潟営業所、東京営業所、東北営業所、関西営業所、九州営業所、バンコク駐在員事務所
◼グループ会社 デビフペット株式会社、ホリカサービス株式会社
◼ホームページ https://www.foricafoods.co.jp