100年企業へ「チームの強み」生かす

五十嵐 一也 氏
昨年はどんな1年でしたか。
創業70周年を社員、地域の皆さまと祝い、創業からこれまで先輩方が行ってきた変革を再認識しました。創業時の社名は「堀之内缶詰」。冷蔵、冷凍技術が普及する前、お中元やお歳暮、病気見舞いは缶詰が主流でした。すっかり変わった今も、会社はちゃんと生き残っています。
100年企業に向かって何を守り、何を変えていくか。その答えは「人」です。いくら技術があっても後継者がいない企業は継続していくことはできません。責任と権限を与えて人を育てること、そして社員が健康で安心して働けて、ここで一緒に働きたいと思ってくれる人を迎えること。一人一人は特別じゃなくてもチームになれば特別、という職場をつくっていきたいと思います。
直近の課題は。
老朽化した第二工場に代わる新工場の建設です。需要が伸びている医療・介護施設向けのパウチとカップの生産ラインを増設する予定で、将来の人手不足に対応してDXを進め、社員の負担を極力軽減したラインを造るべく準備を進めています。医療・介護食は、当社ほか新潟県内の食品企業が長年先行して取り組んできた分野です。しかし近年は医療福祉現場の人手不足で、開封するだけで食べられる食品の市場が大きくなり、大手企業も参入してきています。われわれにとって今は逆風。将来を見据えた柔軟さも重視しています。
現在、日本の提案で災害食の国際規格づくりが進んでいます。
当社の取締役や元取締役は国際規格委員会のメンバーとなって取り組んでいます。これによって当社が成長するというより、日本発の哲学と技術による世界貢献であり、災害に備えることの大切さを一人でも多くの人に知ってもらう重要な機会だと捉えています。
企業としては、いざという時に災害食をしっかり供給できる体制を、平常時にも維持していく必要があります。難題ではありますが、さまざまな展示会に参加したり、積極的に情報を集めたりして市場を開拓しています。実は毎年東京の「神田カレーグランプリ」にも参加しています。本格カレーばかりの中、災害食として出展しておりますが、大変好評です。
若い頃の自分へのアドバイスは。
誰かの弱さに接した時には優しくなれということです。先輩のそういう姿を見てきたのに、若い頃は自分がやりたいことが多すぎて見て見ぬ振りをしてしまったことを後悔しています。
Overview [概要]

◼所在地 |
〒949-7492 魚沼市堀之内286 TEL.025-794-2211 FAX.025-794-3225 |
◼設立 | 1955年1月18日 |
◼事業内容 | 食品製造業(食肉常温品・介護食・治療食・災害食 他) |
◼資本金 | 2億5,000万円 |
◼売上高 | 50億円(2024年3月期) |
◼従業員数 | 205人 |
◼営業所 | 新潟営業所、東京営業所、東北営業所、関西営業所、九州営業所、バンコク駐在員事務所 |
◼グループ会社 | デビフペット株式会社、ホリカサービス株式会社 |
◼ホームページ | https://www.foricafoods.co.jp |