新中期経営計画を推進 サステナブル経営で地域社会へ貢献
本年度のトピックは。
原燃料価格や物流費の高騰など厳しい事業環境の中で、2023年3月期に連結売上高が創業以来初の3,000億円を超え、その前年度には営業利益が過去最高の205億円に到達。数度にわたる価格改定や競争優位性を生かした収益基盤の強化により、前中期経営計画の連結経営目標を全て達成することができました。昨年スタートした新中期経営計画においては、25年度に売上高3,300億円、営業利益200億円を掲げ、事業ポートフォリオシフト、競争力強化、サステナビリティ活動推進を基本方針に、企業価値のさらなる向上に向け取り組みを進めます。
2月に大王製紙と戦略的業務提携に向けた検討を開始したことを発表。同社とは5月を目途に業務提携契約を締結し、国内紙の需要減少や需要構造の変化、原燃料価格の高騰などに加え、社会課題解決等の共通の経営課題について、生産技術、原材料購買、製品物流の分野を中心にシナジー(相乗効果)を発現していきます。
新潟県における取り組みをお聞かせください。
当社は、以前より脱炭素に向けた取り組みを積極的に推進し、50年までにCO2排出実質ゼロに挑戦しています。それらが評価され、英指数算出会社FTSEラッセル社のESG(環境・社会・企業統治)投資向け指標銘柄に選定されました。また国際的な環境非営利組織CDPより気候変動分野で「A-」、森林分野で「B」の評価を得るなど、業界トップクラスの環境競争力を有しています。
県内では、国内初のCO2回収・貯留技術「CCS」の事業化への取り組みを進めています。独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の「先進的CCS事業の実施に係る調査」を紙パルプメーカーとして唯一受託。工場や発電所から排出されるCO2の分離・回収、圧入・貯留設備およびこれらを結ぶ輸送パイプライン建設などについて、他社とともに検討を行います。当社は、新潟工場におけるバイオマス燃料由来のCO2分離回収設備に係る検討を担います。
地域社会とのコミュニケーションについては、インターンシップの受け入れ、環境イベントへの参画などを継続。また、当社従業員に対しては、物価の高止まりが家計に与える影響を考慮の上、労働組合の要求に対し満額回答をいたしました。
これからも当社グループはサステナブル経営を推進し、新潟県の発展に貢献してまいります。
Overview [概要]
◼東京本社 |
〒103-0021 東京都中央区日本橋本石町3-2-2 TEL.03-3245-4500 |
◼設立 | 1907年4月27日 |
◼事業内容 | 紙・パルプ製品の製造販売事業など |
◼資本金 | 420億2,094万239円 |
◼売上高 | 3,012億円(連結、2023年3月期) |
◼従業員数 | 連結 4,163人、単体 1,503人 |
◼事業所 | 新潟工場・長岡工場 他 |
◼ホームページ | https://www.hokuetsucorp.com |