今年はどんな年にしたいですか。

　人間の根源的な営みを行うキャンプを通じて、自然の尊さを五感で感じる人を増やし、つないでいくことが私たちの存在理由です。近年はデジタル化の恩恵である利便性と引き換えに、リアルな体験が減少しています。究極のリアル体験を提供する企業であるスノーピークが、この地球上で果たすべき役割の重要度は、年々増大し続けていると感じています。自らのデザインの力をもって、スノーピークが信じる「キャンプの力」をユーザーはもちろん、あらゆるステークホルダー（利害関係者）に伝え、実現することで社会に貢献していくとともに、現代人の人間性を回復させるため、また未来を担う世界中の子どもたちが、成長過程で正しく自然に触れながら大人になれるよう、さらなる海外展開にも力を注いでいきたいと考えています。

今後注力することは。

　私たちが１９８６年にオートキャンプ事業を立ち上げて以来、キャンプ文化は国内外で高まり続けています。世界規模で情報化が加速すればするほど、ストレスも増大します。だからこそ、それを癒やす自然体験が求められているのです。現在は、キャンプそのものが目的として楽しまれていますが、近い将来にはキャンプを起点に、さらに深く自然とつながるようなシーン提案にも注力していくつもりです。渓流でのフライフィッシングやトレッキング、カヌー、自転車などのアクティビティーをキャンプと一緒により多くの人々が楽しめる未来を私たちが創造していきます。リアルな自然体験が、日本、世界を変えると信じています。

さらなる未来へ向けての思いをお聞かせください。

　世界中のスノーピークユーザー同士が、国籍や人種を超えて、グローバルにつながる未来は、もうすぐそこまで来ています。具体的には、コミュニティアプリのグローバル化です。これが実現すれば、私たちの拠点がある国々のユーザー同士が、アプリ内で直接つながることが可能になります。さらに、イベントや体験施設の予約が国を越えて行えるようになれば、スノーピークユーザーのコミュニティは世界へと広がります。私たちはユーザーの人生価値をより豊かにすることを使命に掲げていますが、それは国や人種、宗教や言語を問いません。どの国にも公平に製品やサービス、体験を提供し、キャンプを通じて世界の人と人をつなぎたい。それができる唯一の企業を目指しています。ぜひご期待ください。