「個客」を起点とした地域に愛される百貨店へ

櫻井 俊晴 氏
昨年来さまざまな動きがあります。
昨年は開店40周年という大きな節目の年であり、多くのお客さまにご来店いただきました。そのタイミングで着任し、新潟の地で今後も末永く愛されるお店作りを目指し、新たな価値創造を行ってきました。その一例として、地階にワインのテイスティングカウンターを造りました。お客さま一人一人にお好みのワインのテイストを伺い、ソムリエと対話をしながら試飲できる顧客体験の場です。これからの百貨店は、さらに高度なお客さまのニーズにお応えし、お客さまの心を動かす、モノ売りだけではない顧客体験の場の提供がより必要になってきます。
本年度は、宝飾品・食品・化粧品など、百貨店の強みのカテゴリーを一部リニューアルします。また、新潟が誇る逸品を発信する「NIIGATA越品」は、立ち上げから約10年目を迎えました。今一度、顧客ニーズから洗い出してターゲット・商品・出店戦略まで見直し、当社が考える地域共生に基づくサステナブル経営のもと、リブランディングを図っていきたいと考えています。
新たな経営戦略はいかがですか。
これまでの百貨店業から「個客業」へと転換していきます。個客業とは、より豊かで上質な暮らしを求めるお客さまとエムアイカードや三越伊勢丹アプリによってつながり、お客さまのことを深く理解し、生活全般のあらゆる接点でお役に立てるご提案をすることで、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図るビジネスモデルです。
本年度から始まった新中期戦略では、お客さまのニーズを徹底的に理解し、ご提案の精度を高める「CRM戦略」を営業の軸としています。世界や日本全国の逸品を対面販売で比較購買できるお店作りをコンセプトとした「高感度上質戦略」を磨き上げ、お客さまのお悩みやお困りごとを感動的に解決し、関心ごとには革新的なご提案をしていきたいですね。
各エリアの多様なニーズにお応えするべく、新潟市内の本館に加え、小型店を7店舗運営しています。この店舗を活用して県外のお客さまへもアプローチをし、広域のお客さまにも愛されるお店を目指していきます。
若い頃の自分へのアドバイスは。
伊勢丹の中で長年継承される考え方のDNAに、「55%攻撃論」という言葉があります。半分以上のポテンシャルがあるのであれば、恐れず挑戦する精神を持つこと、という意味です。学びに、仕事に、遊びに、失敗を恐れず果敢にチャレンジをしよう!と言いたいですね。
Overview [概要]

◼所在地 |
〒950-8589 新潟市中央区八千代1-6-1 TEL.025-242-1111 |
◼開店 | 1984年 新潟伊勢丹 |
◼事業内容 | 百貨店業 |
◼資本金 | 1億円 |
◼売上高 | 340億円(2024年度実績) |
◼店舗 | 新潟伊勢丹店、上越ショップ、新発田ショップ、長岡ショップ、三条ショップ、吉田ショップ、佐渡ショップ、新潟西ショップ |
◼ホームページ | https://www.isetan.mistore.jp/niigata.html |