地域メディアとして新たなビジネスモデル確立

島田 好久 氏
放送局として注力するところは。
今までの放送局の役割はそのままに、さまざまなメディアを使って新潟を元気にできるビジネスモデルをつくりたいと考えています。
具体的には、いくつかの自治体と地域包括連携協定を締結し、地域の課題に向き合い、新しいものを創出する取り組みを進めています。例えば交流人口を増やすための試みとして、地域の祭りをライブ配信する。インターネットと連動することで、ローカルメディアであっても県域を越えた発信ができます。
昨年4月に新潟国際情報大学と包括連携協定を、9月には長岡技術科学大学と防災パートナーシップ協定を締結。今後は学生だけでなく自治体も一緒に、地域を盛り上げる活動を企画していきます。
番組制作についての話題は。
昨年は、当社にて制作したテレビ番組「日本人妻 大原芳子さんの場合」が民放連テレビ教養番組部門優秀賞、「劇場にて 舞踊家金森穣と新潟」英語翻訳版がドイツの国際映像コンクール「ワールドメディアフェスティバル2024」のドキュメンタリー部門で金賞を受賞。これからも新潟の魅力を深掘りしたコンテンツを制作し、デジタルでも展開します。
ラジオの注目はネットで配信するポッドキャスト。昨年、当社の「イシヅカタケヤス」の公開録音を有料で開催しましたが、チケットは2分で完売。キー局TBSラジオでは人気のあるポッドキャスト番組の有料イベントで日本武道館が満席になるほどです。オーディオコンテンツの力をローカル局でも発揮できる方法を模索する必要を感じています。
地域貢献も長く続けていますね。
1982年から実施している「BSN愛の募金」では、集まった義援金を県交通遺児基金や福祉施設などに贈呈しています。これまでの総額は約15億円。今後も続けていきます。
報道機関として、平時から防災・減災にも取り組んでいます。防災士の資格を持つ社員が自治体で防災について話す機会をつくり、テレビやラジオでは防災コーナーをレギュラーで放送しています。
2002年にスタートした「BSNキッズプロジェクト」、19年に県と連携し健康寿命延伸を目的にした「にいがたケンジュプロジェクト」でもさまざまな活動を展開中です。
若い頃の自分にかけたい言葉は。
「親を大切に」ですね。30年ほど前に父を病気で亡くしてから思うようになりました。もっと親孝行すれば良かったと悔やまれます。
Overview [概要]

◼所在地 |
本社:〒951-8655 新潟市中央区川岸町3丁目18番地 TEL.025-267-4111(受付案内) 事業部:〒950-8548 新潟市中央区万代3丁目1番1号 新潟日報メディアシップ13階 BSNイベントダイヤル TEL.025-247-0900 |
◼創立 |
1952年10月14日株式会社 ラジオ新潟、 1961年3月1日「株式会社 新潟放送」に商号を変更 2023年6月会社分割によりBSNメディアホールディングスと新潟放送に再編 |
◼事業内容 | 放送法による基幹放送事業及び一般放送事業(ラジオ・テレビの放送)。放送番組の企画、制作、及び販売。美術、音楽、スポーツ、映画、演劇、芸能、科学等各種催物の企画、制作、販売及び興業。ドローン・VR映像撮影制作 ほか |
◼資本金 | 1億円 |
◼売上高 | 56億4,100万円(2023年度) |
◼正社員 | 117人(2025年4月1日現在) |
◼支社 | 東京支社、大阪支社、長岡支社、上越支社 |
◼ホームページ | https://www.ohbsn.com |