今年新たに「ＤＸビジョン５カ年計画」がスタートしました。

　かねてよりＤＸには積極的に取り組んできましたが、併せて若手を中心としたプロジェクトチームで５年後のあるべき姿とロードマップの作成を進めてきました。それがようやくまとまり、全社的に取り組むスタート地点に立ったところです。建設業のＤＸというと、工作機械の遠隔操作やデジタル測量、タブレットによる情報共有などが注目されますが、機器を導入しただけでは必ずしも現場に余裕は生まれません。われわれが目指すのはＤＸ導入による抜本的な業務改革。人手不足、働き方改革に対応するだけでなく、当社の一番の強みである各人の人間力を生かせる業務体制を構築していきます。
　確実なステップアップのためにまず必要なのは基盤構築と人材育成です。日々の業務だけでなく、経営判断もデータを活用できるようになるため、私自身率先して新しいことにチャレンジし、５年後、10年後に向けた経営基盤を確立していきます。

首都圏での受注が増えていると伺いました。

　首都圏の現場だけでなく、首都圏のお客さまから関西での仕事を打診されるケースが増えてきました。現在県外の拠点は首都圏と東北だけですが、関西圏への営業進出の検討を始めています。ただ、これは裏を返せば県内の仕事が増えていないということで、「新潟のため」「農民のため」という創業の精神からすると忸怩（じくじ）たる思いがあります。昨年は亀田郷土地改良区（新潟市江南区）の元理事長、佐野藤三郎氏の生誕１００周年。当社の創業者加賀田勘一郎は亀田郷の農家に生まれ、土地改良区と二人三脚で泥沼だった農地を変えてきました。佐野氏が生きていたらどんな未来を思い描くだろうと常に考えています。
　佐野氏が開発に大きく貢献した鳥屋野潟南部で現在、地元の皆さんと共に大型開発に着手しています。鳥屋野潟南部は広域から人が集まる政令市新潟の核の一つです。ここににぎわいを生み出し、地域経済活性化に貢献できることに期待しています。

次世代のリーダーに望むことは。

　若い世代を見ていると、お客さまでも上司でも、相手に求められたことをきちんとやることには長けています。しかしそれは「求められたこと」という天井があるということでもあります。この天井を突き破って、お客さまが求める以上のものを形にし、上司が想像できない未来をつくっていってほしいと願っています。