昨年はどんな年でしたか。

　積極的にお客さまと直接お会いする機会をつくったところ、ビジネスにつながることが増え、対面コミュニケーションの価値を感じる年でしたね。またＡＩが一般的な言葉になり、活用を考えるお客さまも出てきました。今後はできるだけ早い段階でＡＩのビジネス活用に向けたサービスを追加し、継続した収益を上げられるようにしたいです。激しく変化を続ける社会状況にスピード感を持って対処していきます。

今年力を入れることは何ですか。

　お客さまが自社のデータをＡＩに学習させ、業務に関する分析をしたり、生成ＡＩでナレッジ（知識）を自動的に引き出したりできるような専用システムの構築に力を入れます。これについては、昨年よりプロトタイプ環境を作成し研究活動に継続して取り組んでいます。
　社内では知識や技術情報をデータベース化した「ナレッジベースシステム」の構築を推進します。自分の知識や技術を周囲に伝授し、共有する行為自体も評価していきます。完成した「ナレッジベースシステム」にＡＩをプラスしてお客さまに提供するビジネスにも少しずつ取り組んでいく考えです。
　また近年、企業のＭ＆Ａ（合併・買収）が加速し、当社にクラウドシステムの統合に関する依頼が増えています。規模が大きくなるとシステムの統合は非常に困難で、高い技術力が必要ですが、当社の得意とするところでもあります。他との差別化を図る上でも集中して需要に応えます。
　当社のウェブサイトをはじめ、ネット上の情報を見たお客さまから相談を受けることが大変多くなっています。ＳＮＳでの発信やイベント出展、講演などで、当社の認知度と存在感も高めたいですね。

次世代のリーダーに望むことは。

　アナログ力と大局観です。デジタル化した便利なコミュニケーションツールこそ、細かい配慮で使いこなすことが求められます。
　また仕事が好調な時ほど冷静に、いったん立ち止まってほしい。周囲の協力に感謝の気持ちを忘れると、間違った判断をすることがあります。
　さらに、リーダーは何事にも好奇心を持ち、新しく物事を進めていかなくてはなりません。挑戦的な事業は、真面目で丁寧に仕事をする人たちの支えで実現するものです。仕事でも何でも、最後の判断をするのは人。感情は行動を左右します。リーダーはさまざまな人への気配り、目配りを心掛けるべきでしょうね。