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「先を読む力」で新潟にインバウンド誘致を

代表取締役社長 総支配人
宮崎 誠

2023年はどんな年でしたか。

 新型ウイルス禍2年半の低迷から回復し、訪日外国人客は発生前の19年を上回りました。昨年5月に開催された先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、参加国の主要ゲストにご宿泊してもらい高い評価をいただきました。
 昨年から始めた企画「新潟を食べよう」では、佐渡、新発田に続いて柏崎フェアを開催。総料理長も驚くような食材が県内各地にたくさんあると実感しました。複数の市町村から「うちも取り上げてほしい」との声をいただき、県も力を入れてくれています。今後も産地や生産者の協力の下、シリーズ化します。オークラ創業者である大倉喜七郎とその父喜八郎との縁をつなぎ、新発田市の蔵春閣とも連携していきたいですね。

今後の課題と展望は。

 課題が山積しています。新潟県の人口のピークは1997年の249万人でしたが、2023年には213万人に。人口減少による人手不足は大きな課題です。観光の一翼を担う私たち宿泊業では、客室清掃に従事する人が足りません。旅館の仲居やタクシーの運転手も不足しており、人口減少に起因するさまざまな課題解決が迫られています。
 ただし昨今の物価高騰を受けた客室単価の上昇は、旅行者の理解を得られるようになりました。引き上げ分を人件費に向けることができます。
 インバウンド誘致では、団体旅行ではなく個人旅行を意味する「FIT(Foreign Independent Tour)」、特別な目的を持った旅行「SIT(Special Interest Tour)」がキーワード。欧州の人々は、訪れる国の文化や歴史に強い関心を持っています。新潟には豪農の館や酒蔵など、素晴らしい観光資源があります。それらの多様な魅力を発信し、可能性を広げていきたいですね。
 大都市圏とは違い、地方都市の宿泊業は為替の影響をそれほど受けることはありません。円安の今、47都道府県の中から新潟が選ばれるためのアピールが必要です。新幹線から見る田園風景、トンネルを抜けた先に広がる銀世界は、旅行者を魅了する眺め。新潟にもっと多くの人をお連れしたいと思います。

次世代のリーダーに望むことは何でしょうか。

 先を読む力です。これがないと、どんな商売も成り立ちません。新潟を訪れる外国人はまだアジアが中心。欧米、豪州の人たちを新潟に呼ぶためにはどうすればいいかを、先を読む力で考えていきたいですね。

Overview [概要]

「萬代橋」のたもとに建つホテル
◼所在地 〒951-8053 新潟市中央区川端町6丁目53番地
TEL.025-224-6111 FAX.025-224-7060
◼開業 1978年10月5日
◼事業内容 ホテル事業
◼資本金 8億1,000万円
◼従業員数 149人
◼ホームページ https://www.okura-niigata.co.jp/