働き方改革関連法の猶予期間が終了しました。

　時間と成果がほぼ正比例の関係にある建設業で、さまざまな影響が懸念される「２０２４年問題」ですが、新技術やアイデアを取り入れながら将来を考える好機でもあります。ロボットやＩＣＴで補完できるところと、人間がやるべきところをすみ分け、最適なやり方を模索してきました。
　東日本大震災や１月１日に発生した能登半島地震でも改めて痛感しましたが、建設業には大きな社会的責任があります。人の生命や財産を守り、社会的基盤をつくる意義のある仕事。マインドの改革も含め、やれるところから取り組んでいます。

トピックをお話しください。

　三条市の県央基幹病院は昨年末に引き渡しを行いました。地域医療と医療連携を推進する大切な役割を持つ、地域の皆さま待望の施設。労務不足や物価上昇など厳しい状況もありましたが、無事開院を迎えることができました。
　東京には、イノベーションと人財育成の拠点として「温故創新の森 ＮＯＶＡＲＥ（ノヴァーレ）」ができました。時代を先取りする価値を創造する企業「スマートイノベーションカンパニー」を目指し「事業構造」「技術」「人財」の三つのイノベーションを強力に推進する施設です。
　個人的には新潟で暮らして１年になりますが、食、アウトドア、自然の魅力にあふれていますね。米と日本酒のおいしさには感動しました。エネルギー面でも油田や天然ガス、地熱、風力などの大きなポテンシャルを秘めた新潟のために何とか貢献したいと考えています。また、創業の地である富山県、能登半島地震の被災地となった石川県の復興にもゼネコンとして貢献したいと考えています。

次世代のリーダーに望むことは。

　若い世代は常にチャレンジのマインドを持ち、失敗を恐れないでもらいたい。深く考えた上での失敗なら繰り返しても構わないと思います。われわれ先輩ができるのは、失敗を恐れず挑戦する環境や雰囲気づくり。個人のビジョンと会社のパーパス（存在意義）をすり合わせ、同じ方向へ導いていきたいですね。
　建設業全体に言えることですが、とにかく「造る人」が足りません。魅力も未来もある業界であることをアピールし、男女を問わずいい人財に入ってもらいたい。当社は新入社員の３割が女性で、現場管理の女性比率が上がっています。全世界がフィールドの仕事で力を発揮してほしいと思っています。