ホーム > 日本歯科大学新潟病院

機能訓練室の設置で地域包括ケアの一翼を担う

病院長
戸谷 収二

地域包括ケアシステム構築への取り組みについてお聞かせください。

 2月に「機能訓練室」を新設しました。内科疾患や高齢者のフレイルを予防する目的でリハビリ部門を設置し、言語聴覚士と理学療法士によるきめ細かいサポート体制を整えました。まずは、呼吸器と運動器のリハビリを行い、将来的にはがん患者のリハビリも行っていきたいと考えています。
 リハビリを行うことで患者さんの回復を促し、地域の療養型施設への移行を支援していくことは大学病院のミッション。地域包括ケアの一翼を担うべく、活動を進めていきます。

訪問歯科診療に力を入れています。

 日本歯科大学は訪問歯科診療を30年以上続けている歴史を持っており、今後も変わらず継続していきます。2018年には日本初の訪問歯科に特化した「新潟在宅ケアクリニック」を三条市に開設しました。今年は同エリアに県央基幹病院が開院し、入院患者さんの歯科治療やリハビリについて歯科口腔外科と連携しサポートしたいと考えています。それ以外の地域においても、開業医院や病院歯科に教育を目的として人材を派遣していきたいですね。そのために、当院で知識と技術を持つ人材を育てることもミッションの一つであると思います。

専門外来「MRONJ(ムロンジェイ)」について教えてください。

 MRONJ(薬剤関連顎骨壊死=がっこつえし)とは、骨粗しょう症薬やがんの骨転移を抑える薬などの影響等であごの骨が腐って壊死する病気です。口の中が細菌に感染し、骨の代謝が悪くなるこの病気は治療が難しく、当院では県内唯一の専門外来として17年に立ち上げました。
 問診や口腔内調査、CT・MRI・単純レントゲン・核医学検査などの検査を行った上で、専門の歯科医師・歯科衛生士による特別な口腔ケアを定期的に実施しています。

次世代のリーダーに望むことは。

 「AIを使いこなせるスキル」が必要だと思います。医師の働き方改革や診療報酬・介護報酬の同時改定が進み、課題解決手段の一つとして「医療DX」は避けて通れません。ペーパーレス化やオンライン診療はもちろん、AIを駆使した画像診断などの技術も登場しており、積極的な活用が必要です。次世代を担う若手のリーダーたちが、これらの新しい技術を取り入れることで、人材不足である医療業界の現状を変えてくれることを期待しています。

Overview [概要]

訪問歯科診療
◼所在地 〒951-8580 新潟市中央区浜浦町1丁目8番地
TEL.025-267-1500
◼開設日 1972年4月19日
◼診療科 【歯科部門】総合診療科、口腔外科、歯科麻酔・全身管理科、小児歯科、矯正歯科、放射線科、訪問歯科口腔ケア科、口腔インプラント科
【医科部門】内科、外科、耳鼻咽喉科
◼センター 障害児・者歯科センター、睡眠歯科センター、口腔ケア機能管理センター、長寿医歯連携医療センター
◼特殊外来 白い歯外来、スポーツ歯科外来、いき息さわやか外来、あごの関節・歯ぎしり外来、口のかわき治療外来、歯科アレルギー治療外来、歯科鎮静リラックス外来、顎のかたち・咬み合わせ外来、歯の細胞バンク外来、MRONJ外来、禁煙外来
◼職員数 190人
◼病床数 92床
◼ホームページ https://www.ngt.ndu.ac.jp/hospital/dental/