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救急医療拠点病院としての医療体制構築を

院長
本間 照

昨年5月、新潟市救急医療拠点病院に選定されました。

 背景には、新潟市の救急医療の危機的な状況があります。少子高齢化が進み、65歳以上の人口が3割を超えました。私たちの病院でも救急搬送の方の3割が80歳以上、入院患者さんの半数が70歳以上。今後ますます高齢者の救急搬送が増えることが想定されています。
 2022年度は3千台ほどの救急搬送を受け入れましたが、昨年度は約4500台とおよそ1.5倍を実現。スタッフ数は従来通りですので、一人一人の奮闘の結果です。しかし、その分負担は非常に大きくなっています。本年度は今の受け入れ台数を維持しながら、スタッフがモチベーションを高め、疲弊せずに働きがいを感じられる体制づくりを進めていきます。
 高齢の患者さんは複数の疾患を持つ方が多く、介護にも多くの人員が必要です。地域の限られた人材資源を有効活用しなければ、医療体制は支えられません。新潟市内の病院や介護施設などと密接に連携すべく、話し合っている最中です。
 救急医療拠点病院として、近い将来には24時間体制で救急搬送を受け入れることになります。そのための医師と医療スタッフを関東圏はじめ全国から募集中です。

高齢の患者さんの診療には総合力が求められますね。

 医療や介護を受けづらくしているさまざまな背景を理由に病気が良くならないというケースも多々あります。全人的、包括的医療が求められています。済生会には福祉・介護の分野に力を入れてきた歴史があり、当院でも医療ソーシャルワーカーが活躍しています。次世代を担う研修医の皆さんに、総合的な知識や技術を伝える教育をしていきたいです。

院内での改革も進んでいます。

 ナースワゴンに必要な物品を全て積み込み、できるだけ患者さんのそばでケアできる時間を確保する「セル看護提供方式®」を導入しました。インカムも導入し、病棟内の伝達が便利になりました。
 救急対応のスタッフを拡充するため、外来を紹介制にし、スリム化も進めています。また2年後くらいに院内救命士の採用も検討中です。

次世代のリーダーに望むことは。

 医療を行う上で地域との緊密なつながりは重要です。地元を理解し、深く考え、地元から求められることを実行するリーダーになってほしい。変化する状況に対応する力も大切です。価値ある情報を迅速に捉えられるフォロワーシップ形成も重要です。

Overview [概要]

◼所在地 〒950-1104 新潟市西区寺地280-7
TEL.025-233-6161㈹ FAX.025-233-8880
◼開院日 1991(平成3)年7月1日
◼事業内容 医療業
◼診療科目 内科、血液内科、代謝・内分泌内科、精神科、脳神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、小児科、外科、消化器外科、乳腺・内分泌外科、整形外科、呼吸器外科、心臓血管外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科(飛田俊幸)、形成外科、病理診断科、臨床検査科、歯科口腔外科、脳神経外科、救急科、腫瘍内科
◼職員数 913人
◼病床数 410床
◼ホームページ https://ngt.saiseikai.or.jp/